2023 Fiscal Year Research-status Report
DDR(Dynamic Digital Radiography)を用いた肺高血圧症患者の呼吸機能障害の病態解明
Project/Area Number |
23K14874
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宮永 直 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (60874477)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 肺高血圧症 / 呼吸機能障害 / 動態撮影 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺高血圧症は様々な原因により肺細動脈の狭窄をきたし肺動脈圧が上昇するが、画像検査で肺実質に異常を認めないにも関わらず、呼吸機能異常を認めることが報告されている。しかし呼吸機能異常の原因や機序については不明な部分が多く、循環動態と呼吸機能異常の関連性も明らかになっていない。現在、日常臨床において呼吸機能評価はスパイロメーターにより肺活量や肺拡散能を計測することで評価されるが、同検査では胸郭や横隔膜の運動まで観察・評価する事は不可能である。近年胸部X 線の動画撮影により様々な評価が可能なDDRという検査法があり、KONICA MINOLTAが開発し、従来の胸部X線(静止画)による形態診断だけでなく動画撮影により機能診断が可能であり、通常の胸部X線撮影と同程度の低侵襲、低被曝で呼吸機能の定量化が可能になっている。 本研究の目的は、肺高血圧症患者においDDR(Dynamic Digital Radiography)を軸とした詳細な呼吸機能の測定結果が、循環動態や運動耐容能と関連しているかを検討することである。 本研究により循環動態と呼吸機能障害の関連性を解明することは、肺高血圧症の機序解明に役立つとともに、呼吸機能障害の詳細を明らかにし、新規リハビリテーションへ応用することで肺血圧症患者のQOL、運動耐容能改善に繋がることが期待される。 現在は症例集積を行っている段階であり、現時点でのデータ解析は実施できていない。症例数が集まった段階で解析を行い、研究結果をまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
想定よりも重症患者が多く、動態撮影に必要な息止め時間を確保する事が難しい症例が多い。また患者層も高齢化してきており、立位保持が困難な患者や十分な評価が望めない症例が増加傾向にあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
新規診断患者数の年間目標件数を下方修正し、現在当院で治療継続中の肺高血圧症患者の研究参加目標数を増やして症例数を増やしていく方針である。
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Causes of Carryover |
予定していたよりも研究が進んでいないこともあり、コストが少なく済んだため。次年度使用額に関しては研究を進める上での消耗品などに使用する予定である。
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