2023 Fiscal Year Research-status Report
Lung ultrasound for predicting surfactant administration in preterm infants
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23K14908
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Research Institution | Ibaraki Children's Hospital |
Principal Investigator |
星野 雄介 茨城県立こども病院(小児医療・がん研究センター), 小児医療研究部門, 研究員 (00867195)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 肺超音波検査 / 呼吸窮迫症候群 / サーファクタント / 肺超音波検査スコア / 早産児 / NICU |
Outline of Annual Research Achievements |
茨城県立こども病院において、生後に呼吸障害を伴う症例に肺超音波検査を行い、サーファクタント投与を予測するための肺超音波検査スコアのカットオフ値を検討した。入院時に呼吸障害を有する在胎37週未満の早産児77例を解析対象とした。欧米ではヨーロッパのガイドラインに準じて①持続陽圧呼吸下で吸入酸素濃度30%以上の酸素需要がある、もしくは②重度の呼吸障害のために気管挿管を要する場合にサーファクタントを投与することが推奨されている。しかしその方法では呼吸窮迫症候群の診断に基づいていないため、本研究ではマイクロバブルテスト・胸部X線検査および臨床症状から呼吸窮迫症候群と診断された症例にサーファクタントを投与した。 肺超音波検査にはFujifilm 製Sonosite M-turbo、高周波リニアプローベ(6~13MHz)を使用し、プリセットは表在モード、深度は3cmに設定し、フォーカスは胸膜の高さに合わせた。左右の前上胸部・前下胸部・側胸部の合計6 か所で肺超音波検査を行い、「Aライン」「Bライン」「white lung」「consolidation」の所見に基づき0~3点でスコアリングし、症例毎に合計0~18 点のスコアを算出した。 対象患者の在胎週数は中央値で30.6週[27.9~33.0]、出生体重は中央値で1,268g[852~1,687]であった。肺超音波検査スコアによるサーファクタント投与はArea under the curve0.971(95%信頼区間0.937~1)で予測可能であり、カットオフ9点で感度85%、特異度96%、陽性的中率92%、陰性的中率93%であった。肺超音波検査はサーファクタント投与の予測に有用であると考えた。 今後はさらに症例を蓄積し、解析を深めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者が所属する施設で順調に症例を登録し、現時点での解析では仮説通りのデータが得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究機関で登録できた症例の内訳をみると軽症例が多く、在胎28週未満の超早産児の症例はまだあまり集まっていない。理由として、そのような超早産児は勤務時間外に発生することが多く、本研究では平日の日勤帯の入院のみを対象にしたことが制限になっていると考える。そのため院外の施設でもデータ収集を依頼し、そのような重症患者の症例登録数を増やしていく。 今回は全登録患者におけるサーファクタント投与群・非投与群の比較であったが、在胎週数(28週未満、28-31週、32週以降)や呼吸補助の違い(人工呼吸器管理、非侵襲的呼吸管理)で分けた解析も行う予定である。
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