2023 Fiscal Year Research-status Report
18F-FLT PET分子イメージングによる頭頸部癌の治療効果判定の研究
Project/Area Number |
23K14921
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
三田村 克哉 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20715081)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | PET / 頭頸部扁平上皮癌 / コンパートメントモデル解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部扁平上皮癌の治療は放射線化学療法が選択される場合が多い。治療効果判定はCT・MRIなどの形態画像で治療前後の腫瘍サイズの変化で行われるのが通常であるが、治療後変化の影響もあり、正確な評価が困難な場合がある。この問題を解決するために分子イメージングが注目されているが、18F-Fluorodeoxyglucose (18F-FDG) PETは治療後に生じる炎症巣に集積を示すという欠点がある。 新たな評価方法としてコンパートメントモデル解析に着目した。コンパートメントモデル解析では病変内に取り込まれた薬剤を反映した画像であるKi画像と血管内に存在する薬剤を反映した画像であるdistribution volume画像(DV画像)を分離して表示することができる。従来の評価法であるSUV画像と比較検討した。 対象は治療前に18F-FDG PET検査を行った頭頸部扁平上皮癌患者10名である。その結果、KimaxとSUVmax(p<0.001)、KipeakとSUVpeak(p<0.001)、KimeanとSUVmean(p<0.001)にそれぞれ有意な相関が得られた。また、DVmaxとSUVmax(p<0.005)、DVpeakとSUVpeak(p<0.005)、DVmeanとSUVmean(p<0.002)にそれぞれ有意な相関が得られた。コンパートメントモデル解析から求まるKi値は有用な半定量的指標である事が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
頭頸部扁平上皮癌患者に18F-FDG PET検査を実施し、コンパートメントモデル解析を適応している。その結果、Ki画像とDV画像が求められ、それぞれの定量値が算出できている。しかし、頭頸部扁平上皮癌患者に18F-FLT PET検査を計画しているが、その症例数が少ないため、その有用性の検討が不十分である。
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Strategy for Future Research Activity |
頭頸部扁平上皮癌患者に18F-FDG PET検査を行い、コンパートメントモデル解析およびテクスチャー解析を適応する予定である。また、細胞増殖能を評価できる18F-FLT PET検査を行い、コンパートメントモデル解析などを適応する予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた国際学会出張が取りやめになったため年度内完了が困難となった。使用計画として、学会出張費に充てる。 また予定していた18F-FLT PET検査を行う症例が今年度は少数しか集まらなかったため、PET薬剤合成のための薬剤購入費に使用する機会が少なく年度内完了が困難となった。使用計画として、薬剤購入費に使用する。
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