2023 Fiscal Year Research-status Report
乳房全摘術後放射線治療における最適な照射方法の探索と放射線性皮膚炎発症の解明
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23K14926
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
川本 晃史 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60862167)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 組織等価性ボーラス / 乳房全摘術後寡分割照射 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳房全摘術後寡分割照射の有効性が示されているが、ボーラスの置き方に関して統一されている前向き比較研究は1つのみであり、1例あたりボーラスあり/なしの2つの治療計画・照射が必要であり煩雑である。本研究では線量分布測定用ファントムを用いて先行研究と同様の皮膚線量となり、1プランで使用可能なボーラス厚を決定することを目的とした。ファントムをCT撮影し、治療計画を行った。先行研究である43.5 Gy/15回の照射のうち電子線 (6 or 9MeV)を用いて6回を5 mm厚ボーラスを使用し、9回をボーラス使用しない方法と連日でボーラスなし、1、2、5 mm、ブラスメッシュボーラスを使用する方法での皮膚線量を比較した。電子線による32度の1門、20×20 cmの照射野として治療計画を行った。次に体表面に沿ってフィルムを設置し、ボーラス厚をボーラスなし、1、2、5 mm、さらにブラスメッシュボーラスを使用し、同一条件で照射を行った。正中を0 mmとし、外方向に250 mmの位置まで皮膚線量測定を行った。先行研究の方法、ボーラスなし、1 mm、2 mm、5 mm厚ボーラス、ブラスメッシュボーラスの平均皮膚線量は6 MeVで処方線量の72.2、70.2、73.6、74.9、75.2、81.4%、9 MeVで76.5、74.3、76.7、80.3、79.9、86.0%、であった。先行研究の方法とボーラスなし、1 mm、2 mm、5 mm厚ボーラス、ブラスメッシュボーラスにおける皮膚線量の差は、6 MeVで323、189、214、485、566 cGy、9 MeVで257、116、173、386、477 cGyであった。乳房全摘術後寡分割照射において電子線の皮膚線量は1 mm厚ボーラスで先行研究の方法と最も差が少なかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目標であった電子線に関する基礎的な評価は既に終わっており、現在はX線に関する基礎的な評価に取り組んでいる状況であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
電子線に関する評価に関しては学会発表を予定している。また、並行して論文の作成を行っている。 X線に関する評価は3D-CRT以外にIMRTでも検討していく予定である。 また、ボーラスに関しては企業と素材の異なるものを開発している。素材の異なるボーラスを作成し、再度実験をして有望な結果が得られたら、産業財産権の出願・取得を予定している。
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Causes of Carryover |
現在、企業と開発中の新規ボーラスの購入に充てる予定でった資金を昨年度使用しなかったため。 新規ボーラスが開発されれば今年度の資金として使用する予定である。
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