2023 Fiscal Year Research-status Report
Dual-energy/Photon-counting multi-energy CTを用いた骨差分ヨード画像の開発
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23K14934
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
檜山 貴志 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 医長 (40807278)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | サブトラクション / ヨード画像 / Dual-energy CT / Photon-counting CT / 頭頸部癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はCTのコントラスト分解能を改良するため,Multi-energy CT(MECT)と差分技術用い,差分ヨード画像(subtraction iodine image: SII)を改良・開発し,臨床的有用性を検証することである. ①差分ヨード画像の開発: MECTは複数のエネルギー(管電圧)でCT画像を得る方法であり,2種のエネルギーを使用するDual-energy CT(DECT)とさらに多くのエネルギーを使用するPhoton-counting CT(PCCT)がある.本年度はDECTを用いて,複数のエネルギーのSII画像の作成を行った.まず,単純・造影CTのそれぞれから,仮想単色X線画像(45Kev~75Kev)を作成した.その後,同じエネルギーの仮想単色X線画像を用いて差分処理を行い,様々なエネルギーのSII画像を作成した. ②画質の検討:作成した様々なエネルギーのSIIの画質を評価した.またDECTから作成されるヨードマップ(DEII:Dual-energy iodine map)との比較も行った.鼻副鼻腔癌・上咽頭癌を対象として行い,脳・頭蓋底・椎前筋の信号対雑音比(SN)とコントラストノイズ比(CNR)を測定した.SNに関しては脳ではDEIIが最も高かかったが,ほかの部位ではSII(65kev)が最も高かった.また,頭蓋底に関してはDEIIではアーチファクトにより正しく評価ができなかった.CNRに関してはいずれの部位においてもSII(65kev)が最も高く,SII作成において,65kevが至適のエネルギーと考えられた.次に,SII(65kev)とDEIIでの腫瘍描出能について,放射線科専門医による視覚評価を行い,SII(65kev)の方が,DEIIよりも腫瘍を周囲の構造からより明瞭に描出できることが明らかなとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Dual-energy CTから作成される差分ヨード画像の至適なエネルギーが明らかとなった.研究進捗としては順調と判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
①DECTでの至適なエネルギーが明らかとなったため,様々な部位での臨床的有用性を検証していく. ②PCCTにおける至適エネルギーやDEIIとSIIの画質や腫瘍描出能の評価を行っていく.
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Causes of Carryover |
本年度は国際学会の参加がWEB参加となったため,出費が予定よりも少なくなった.次年度の使用計画は,① 今後蓄積されるデータを保存しておくため のハードディスクの費用. ② ファントム実験で使用するファントムの費用, ③ 学会発表,英文校正,論文投稿の費用である.
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