2023 Fiscal Year Research-status Report
AIを活用したゲノム解析とRNA解析による神経発達症の新規遺伝学的解析スキームの創造
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23K14944
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
平出 拓也 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (70783447)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マルチオミクス解析 / ゲノム解析 / RNA解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
エクソーム解析により原因が同定できていない、知的障害/発達遅延に加えて神経学的所見や形態異常などの他の臨床所見を合併した症例、10例に対しゲノム解析を行った。。Deep learningを利用したAIソフトである、4つのスプライシング予測ツール(SpliceAI、MMSplice、SpliceRover、Pangolin)を使用してスプライシング予測を行い、スプライシング異常を検出した。これらの複数のスプライシング予測を組み合わせて使用することは、候補バリアントの見逃しを防ぐことに有用であった。スプライス異常が予測されたバリアントに関しては、尿由来細胞を用いたRNA-seqデータを用いて検証した。ゲノム解析とRNA解析によるマルチオミクス解析の結果、知的障害と脳形成異常を伴う症例において、BUB1B遺伝子のイントロン領域にレトロトランスポゾンが挿入され、スプライシング異常が起きている可能性が考慮される症例を同定した。ショートリードシークエンサーでは挿入の全域を明らかにすることができなかった。ロングリードシークエンサーを用いたゲノム解析を行い、イントロンにおけるレトロトランスポゾン挿入が疾患原因になることを解明することができた。また、知的発達症、大脳白質変性症、ネフローゼ症候群を示す症例において、TPRKB遺伝子に複合ヘテロバリアントを同定した。TPRKB遺伝子を原因とする症例は、これまでに世界で2症例のみの報告であったため、論文報告を行った。我々の症例は、TPRKB遺伝子の機能バリアントが関連した初めての症例であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標の数のゲノム解析を施行することができた。一方、解析データが多いためすべてを解析しきれていないため来年度も継続して解析を行う必要がある。来年度も新たな症例のゲノム解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に行ったゲノム解析の解析を引き続き行う。来年度も症例を集め、10症例を目標にゲノム解析とRNA解析を行う。
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Causes of Carryover |
RNA解析を行うための尿を、患者都合により採取する時期が遅くなった。また、RNA解析は複数症例をまとめて提出するため、提出したい症例の検体が集まってから解析に提出するため、次年度に使用予定である。翌年度請求助成金と合わせて、ゲノム解析、RNA解析を施行していく。
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Research Products
(5 results)