2023 Fiscal Year Research-status Report
食道機能検査による小児消化器症状の病態の可視化と治療法の確立
Project/Area Number |
23K14962
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
升井 大介 久留米大学, 医学部, 助教 (90624495)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 小児消化管機能検査 / 食道閉鎖症 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は小児、重症心身障害者に対して消化管機能検査を行うことで下記の結果が得られた。①消化管機能検査より反芻症候群と診断された1例:本症例では嘔吐に対して噴門形成術が予定されている症例であった。消化管機能検査で反芻症候群の診断となり、不要な手術が回避された。反芻症候群の診断は食道内圧検査と24時間食道pHインピーダンスモニタリングの併用が有用とされている。反芻症候群はGERD治療に準ずるものではないため適切に評価し、診断する必要がある。②重症心身障碍者における胃食道逆流に対する半固形栄養剤の有用性の検討:半固形栄養剤の使用は臨床的に誤嚥性肺炎、胃食道逆流症を疑う症例に効果的であると報告されている。しかし、客観的評価を行った報告は少ない。自験例においては2例とも半固形栄養剤によって症状の改善を認めた。24時間食道pHインピーダンス検査によって客観的に病態を評価することが可能となり、栄養剤の変更へと繋がった。③食道インピーダンスpHモニタリングでwaveform patternを観察することの重要性:現在まで24時間食道pHインピーダンス検査で波形に関して報告しているのは当施設しかない。年齢、疾患に応じて波形が異なるため、当施設では食道疾患が疑われる症状の患児に対してはフロチャートに沿った診療を行っている。上部消化管内視鏡検査は小児では全身麻酔を要するため、24時間食道pHインピーダンス検査が消化管の精査のスクリーニングとして有用な可能性がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度から消化管機能検査について検査を行い、反芻症候群の診断、栄養の変更、術後評価を行うことが可能であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
食道インピーダンスpHモニタリング、高解像度食道内圧検査が小児領域で有用性であることが確認ができた。食道閉鎖症術後等の疾患別に今年度は評価を進めたいと考えている。
|
Causes of Carryover |
前年度は物品がそろっていたため残額が発生した。令和6年度はカテーテル物品やその他の研究物品への研究費の使用、学会参加費等に残額を使用する予定である。
|