2023 Fiscal Year Research-status Report
新型コロナウイルス感染症流行後の国内におけるパレコウイルスA3の疫学調査
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23K14969
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
相澤 悠太 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90808453)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | パレコウイルス / 敗血症 / 新生児 / 早期乳児 / 疫学 / 臍帯血 / 中和抗体保有率 |
Outline of Annual Research Achievements |
パレコウイルスA感染症の流行調査については、127人が研究対象者となり、そのうちパレコウイルスA陽性が60人、エンテロウイルス陽性が13人であった。検出されたパレコウイルスAはすべて3型であった。パレコウイルスAが検出された地域は北海道から沖縄まで、九州・四国以外の地域で認められた。新型コロナウイルス感染症パンデミックに対する厳格な感染対策で減少していたパレコウイルスA感染症の感染者数が、感染対策の緩和に伴い増加する可能性を想定していたが、まさにその通りで、本研究の小児入院施設全国ネットワークで以前から継続していた入院患者数としては、新型コロナウイルス感染症パンデミック前の2019年の感染者数を超えて最多となった。新型コロナウイルス感染症パンデミックに伴いパレコウイルスA3感染者数が減少した時期に感受性者が蓄積し、母体からの移行抗体が減弱したことがその理由と考えられた。新型コロナウイルス感染症パンデミック前後のパレコウイルスA3感染症患者の臨床像を比較すると、日齢などの患者特性は変わらなかったが、敗血症の割合は減少した。しかし、集中治療室入室割合や脳炎の割合は同じであった。新型コロナウイルス感染症パンデミック後のパレコウイルスA3感染症の疫学変化について報告しているのは本研究だけであり、国内疫学に関する貴重なデータになっていると考えている。 初年度は、上記研究と並行して臍帯血の収集も行った。パレコウイルスA3に対する中和抗体価を測定して、新型コロナウイルス感染症パンデミックが与えた中和抗体保有率に対する影響を評価する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各施設で本研究組み入れ基準該当者のチェックが行われ、組み入れ基準を満たした患者がいた際には随時検査ならびに臨床情報の収集が行われている。また、各施設とのコミュニケーションも良好に保てており、適宜各地の流行状況の情報共有と議論も行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
パレコウイルス感染者数は新型コロナウイルス感染症流行後に最多となったが、この増加がまだ続くのか、新型コロナウイルス感染症前の毎年少数持続に戻るのか、それよりも前の2、3年ごとの流行に戻るのか、全国流行調査を継続してパレコウイルス感染症の疫学の変化を引き続き評価していく。 臍帯血については中和抗体価を測定し、先行研究のデータと比較することで新型コロナウイルス感染症パンデミックの中和抗体保有率への影響を評価する。
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Causes of Carryover |
検査試薬の在庫があった分、次年度使用額が生じた。2年度目はさらにパレコウイルスA3感染者数が増加する可能性があり、次年度使用額を含めてウイルス解析を行い、その疫学を明らかにしていく。
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Research Products
(2 results)