2023 Fiscal Year Research-status Report
食物アレルギーに対する抗原特異的IgDの役割の解明
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23K14971
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
伊藤 尚弘 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 特命助教 (90791905)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 食物アレルギー / 抗原特異的IgD / 好酸球性消化管疾患 / 免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、食物アレルギーの耐性獲得、好酸球性消化管疾患に抗原特異的IgDが如何に関わるかを明らかにすることを目的としている。 過去報告した経皮感作食物アレルギーモデルマウスを使用し、免疫療法群と好酸球性消化管疾患群を作成し、抗原特異的IgDを含めた免疫グロブリンの差異を検討する予定であった。そして、免疫療法群の症状が改善した群を抽出すると、抗原特異的IgDが高いことが明らかとなった。血清では、抗原特異的IgE、mmcp-1、IgG1、IgG2、IgDなどの比較を行っている。 現在は、再現性の確認と、有意な上昇ではなかったため、アレルギー症状と合わせて引き続き検討を行っている状況である。 再現性を確認できた後、腸間膜リンパ節の解析やRNA抽出を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
元々当院で作成したモデルマウスを使用しており、免疫療法モデルの作成に成功している。一方で、好酸球性消化管疾患モデルマウスの再現性に乏しく、検討を行っている。 既に抗原特異的IgDの測定方法は繰り返し行うことで確立している。 リンパ球解析などは、これまでのマウスの検体を用いて予備実験を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫療法群のアレルギー症状の改善の確認、好酸球性消化管疾患群のモデルマウスの症状の再現を確認する。好酸球性消化管疾患モデルマウスは当初予定していたよりも直腸温の低下がみられており、原因について現在検討している。 両群のアレルギー症状の再現性を確認できればリンパ球の解析や腸粘膜の解析、更にはノックアウトマウスの解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初の計画からやや遅れて進行しており、予定よりもマウス購入費用などに余剰分が生じた。 抗原特異的IgD産生機序の解明を行うために、引き続きマウスでの実験を継続し、マウスの購入・飼育費用に使用する。また、得られたサンプルを解析するための試薬や器具の購入を行う。 結果が得られた場合、公表するための学会参加費、論文作成に伴う文献や英文校正、投稿料にも使用する。
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