2023 Fiscal Year Research-status Report
新生児ウレアプラズマ感染症の病態解析と治療戦略の確立
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23K14995
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
伊東 和俊 福岡大学, 医学部, 助教 (10782831)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ウレアプラズマ / 新生児感染症 / 慢性肺疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年8月~2024年5月9日までにNICUに入院した新生児のうち、院内出生の新生児に対してウレアプラズマの培養を行った。培養は可能な限り生後早期に採取した。他院での出生および明らかな外表奇形を有するもの、生後1日以上経過してからの入院症例は除外した。 解析数は50症例であり、出生週数37週以上 10症例、28~36週 24例、28週未満 16症例であった。体重別の内訳は低出生体重児 22例、極低出生体重児(1,500g未満)4例、超低出生体重児(1,000g未満) 13例であった。全検体の各中央値は以下である。出生週数 33.1±0.7週、出生体重1789.5±121.8g、体重分布はAGA 41例(84%)、HFD 2例(4%)、LFD 4例(8%)、SGA 3例(6%)。このうち、超早産児(28週未満)、超低出生体重児(1,000g未満)のみを解析すると、症例数は16症例であり、その中央値は出生週数は26.1±0.3週、出生体重892.5±51.1g、体重分布はAGA 15例(93.8%)、SGA 1例(6。2%)、HFD・LFDはいずれも0であった。ウレアプラズマ陽性例は2症例であり、いずれも超早産児(28週未満)、超低出生体重児(1000g未満)であり、前期破水および絨毛膜羊膜炎を伴っていた。また、臨床経過ではいずれの症例も気管挿管および人工呼吸器管理が行われている。 約半数が入院加療を継続中であり、ウレアプラズマ陽性例が2症例であるため、比較検討および統計学的評価には至っていない。今後、さらなる症例の蓄積を行い、および診療録の結果を用いた比較検討を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当院における培養検査の至適条件などを解析するため、準備が遅れた。そのため、研究開始時期がやや遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数の蓄積および他サンプル(気道分泌物、胃液)での培養を行う。また、退院時の診療録のデータを用いて、呼吸状態の評価、臨床経過の比較を行う。
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Causes of Carryover |
当院における至適培養条件検索のため研究遂行に遅れが生じたため次年度使用が生じた。令和5年度での症例数は50症例であったが、令和6年度では、サンプル数の増加を見込んでいる。また、保存した各サンプルを用いて、PCRなどを用いた菌株の分析を行う予定である。培養に必要な培地、および分析に用いる試薬購入費用として使用予定である。
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