2023 Fiscal Year Research-status Report
体の「冷え」と消化管機能の関係から機能性ディスペプシア治療の新機軸を創立する
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23K15022
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森 英毅 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90594581)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 体の「冷え」 / 消化管機能 / 機能性ディスペプシア / 消化管ホルモン / 消化管炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
機能性ディスペプシアは慢性的に心窩部痛や胃もたれなどのディスペプシア症状を呈する症候群であるが、多因子が関連する疾患であり、明確な治療選択のメルクマールとなるべき所見が少ないのが実情である。 本研究は、西洋医学の視点には欠落している体の「冷え」という所見が、機能性ディスペプシアの治療指針を決定するための重要な所見になりうると考え、体の「冷え」と消化管機能の関係から機能性ディスペプシア治療の新機軸を創立する事を目的としている。 まず初めに健常者と機能性ディスペプシア患者を対象として、自己記入式問診票による消化器症状および「冷え」に関する自覚症状、腋窩温およびサーモグラフィーによる深部体温と体表温度の計測を行い、消化器症状と身体所見との比較を行い、機能性ディスペプシア患者では有意に「冷え」症状が強い事を示した。一方で、必ずしも体温と「冷え」の感覚が関連しておらず、「冷え」は温痛覚に関する感覚異常を含む概念である可能性が示唆された。 更に胃適応性弛緩能評価試験(緩徐栄養ドリンク試験)を健常者と機能性ディスペプシア患者を対象として施行し、有意に機能性ディスペプシア患者では胃耐容能が障害されている事、機能性ディスペプシア患者の空腹感は試験食飲用前から健常者に比べて低下しており、胃耐容能低下との関連が示唆された。 胃腸症状と腸内細菌叢、冷え症状との関連、十二指腸の炎症の関連について調査を行うため、被験者のエントリーおよびサンプルの採取を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胃耐容能および「冷え」症状、消化管症状を検討する研究は既にリクルートを終了し、解析・発表段階にある。消化器症状と腸内細菌叢、十二指腸の炎症、「冷え」症状との関連を検討する研究は現在、リクルートおよびサンプル採取を継続しており、2024年度もしくは2025年度の早い段階でリクルートを終了する予定である。おおむね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね計画書通りの進捗であるため、当初の計画通り遂行する。
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Causes of Carryover |
本研究に関連する学会発表が次年度に繰り越された事、研究費の多くを用いる腸内細菌叢の解析および十二指腸の炎症の評価が次年度に繰り越された事が理由である(ある一定数のサンプルをまとめて依頼する必要があるため)。これらの支出は2024年度(次年度)に必要である。
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Research Products
(2 results)