2023 Fiscal Year Research-status Report
膵癌パネル検査層別化のためのROSE検体を用いたddPCRによるKRAS変異スクリーニング
Project/Area Number |
23K15031
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
石澤 哲也 山形大学, 医学部, 助教 (30594296)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 膵癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌は予後不良なことで知られているが、近年は癌パネル検査の結果に基づく個別化治療 に期待されている。しかしながら、癌パネル検査は高コストで長時間を要し、治療到達率は 数%と少なく、膵癌全例に施行するのは非効率的であることが問題である。申請者は以前、膵癌診断の組織採取法である超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS-FNA)時に得られる迅速細胞診検体(ROSE検体)から核酸を抽出し、次世代シーケンサーを用いて癌パネル検査を行うことが可能であることを世界で初めて報告した。この研究により日常診療で破棄されるROSE検体から癌ゲノム情報を得られることが確認できている。今回申請者は、ROSE検体とデジタルPCRを用いて、癌パネル検査実施前に膵癌のドライバー遺伝子であるKRAS遺伝子変異スクリーニングによって、癌パネル検査の実施推奨度を低コスト、低侵襲、短時間で層別化可能と考え、その有用性を評価する。この手法(”Rapid KRAS Screening”と仮称)によって、限られた医療費をより有効に活用しながら膵癌の予後改善に寄与することが出来ると考えている。仮説として、KRAS G12C変異型とKRAS野生型の膵癌症例は個別化治療到達率が高く、KRAS G12C以外の変異型の膵癌症例は個別化治療到達率が低いと設定する。仮説が実証されればKRAS G12C変異型とKRAS野生型は癌パネル検査の推奨度が高く、KRAS G12C以外の変異型は癌パネル検査の推奨度が低いと考えられ、Rapid KRAS Screeningが有用であるということになる。 2022年度秋から膵癌に対してEUS-FNAを施行する患者ほぼ全例に、事前に説明し同意を得たうえで研究へ参加して頂いている。また、同時にMSIもROSE検体を用いてddPCRで判定出来るように追加で準備を開始している。解析はまだしていないので実績はわからないが、今年度末までに結果について解析を進める予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は登録期間だが、実際に膵癌に対してEUS-FNAを施行する患者ほぼ全例から研究参加頂いているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度末には結果を解析し、この研究の意義について確認していく。
|
Causes of Carryover |
MSIスクリーニングも併せて施行する準備としてMSIアッセイキットと解析するためのPCを2023年度中に購入する予定だったが納入が遅れ、2024年度購入となったため。
|