2023 Fiscal Year Research-status Report
内視鏡的筋層切開術を用いた食道アカラシアのHLAリスク因子、および微生物の検索
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23K15071
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
坂口 琢紀 鳥取大学, 医学部, 特命助教 (90835258)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食道アカラシア |
Outline of Annual Research Achievements |
食道アカラシアは下部食道括約筋(LES)の弛緩不全ならびに食道体部運動障害を特徴とし、胸痛や嚥下障害などにより患者のQOLを著しく低下させる希少な疾患である。症状が重度になると食事中および食後に嘔吐をくり返してしまい、外食時に不安を抱えたり、睡眠時に食道より食べた食事が逆流することにより睡眠障害が生じたりすることもある疾患である。 近年は経口内視鏡的筋層切開術(POEM)により症状は緩和されるようになったが、食道体部運動障害は残存し、生理的な食道運動機能は消失したままである。その主な病態は食道運動を支配するアウエルバッハ神経叢の変性であり、病因としてウイルス説や自己免疫説が提唱されているが、依然として原因不明である。 近年ヨーロッパを中心にヒト白血球抗原(HLA)のタイプと食道アカラシアの関係性が指摘された。本研究では日本人における食道アカラシア患者の血液を用いて①日本人における特定のHLAタイプと食道アカラシア発症および 臨床病理学的因子との相関性の解析、②経口内視鏡的筋層切開時に採取した組織検体を用いた免疫染色による原因検索、③食道の輪状筋における網羅的微生物検索を行い、食道アカラシアの病態および病院を解明することを目的としている。本年度はそのために食道アカラシア患者の輪状筋と血液検体の採取および臨床情報の取得を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
食道アカラシア患者における試料採取およびDNA抽出が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
食道アカラシア患者の血液サンプルを採取し、HLAタイピングを行う。さらに病理標本を用いて、組織免疫染色検査を行う。
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Causes of Carryover |
臨床検体の収集が十分ではなかったため次年度使用が生じたが、次年度はアカラシア患者の血液サンプルよりHLA検査を行い、また輪状筋を用いた免疫染色を行うための経費に充てる。
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