2023 Fiscal Year Research-status Report
NASHの肝臓局所免疫における腸内細菌の役割の解明
Project/Area Number |
23K15079
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
小林 貴 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (50825768)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | MASH / NASH / 腸内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、腸内細菌が肝臓の局所免疫に与える変化を検証する。本検討ではMASHモデルとMASH肝癌モデルの両方で実験を行う。 MASHモデルマウスとして、C57BL/6J雄マウスに対して8週齢から食餌負荷(高脂肪・高フルクトース・高コレステロール食)を行った。肝臓における病理所見の経時的変化を確認したところ、肝臓のsteatosisとfiborisが確認された。このマウスに腸内細菌Faecalibacterium prausnitzii(FP)もしくはVehicleとしてPBSを投与すると、FP投与群で有意なsteatosisとfibrosisの改善を認めた。 MASH肝癌モデルマウスは、B6C3F1雄マウスに対して5週齢から上記と同様な食餌負荷を行い、さらに6週齢からDiethylnitrosamine45mg/kgを合計6回腹腔内投与した。本モデルでは24週齢で肝腫瘍の発現が確認された。また、背景肝のsteatosisとfiborisも認めた。このMASH肝癌モデルマウスに対して24週齢からFPもしくはPBSを投与すると、FP投与群において有意な肝癌の抑制効果を認めた。また、フローサイトメトリーによる免疫細胞の評価では、FP投与群において有意に腫瘍浸潤CD8陽性T細胞の増加を認めた。 MASHでは肝臓内の抗原非特異的なCD8+T細胞の増加が肝障害をもたらすことが知られている。免疫監視機構の観点からFP投与によるMASH改善効果やMASH肝癌抑制効果の機序を検討していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肝組織のフローサイトメトリーにおいて、血球や脂肪成分の影響で手技確立に時間を要した。
|
Strategy for Future Research Activity |
免疫監視機構の観点からFP投与によるMASH改善効果やMASH肝癌抑制効果の機序を検討していく。
|
Causes of Carryover |
予定よりも研究の進行が遅れているため次年度使用額が発生した。次年度はマウスの肝臓や肝腫瘍における免疫細胞の解析を行う予定である。
|