2023 Fiscal Year Research-status Report
新規介在板分子に注目した心臓限局性サルコイドーシスの病態解明研究
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23K15117
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
高橋 佑典 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 上級研究員 (70880912)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 心筋症 / サルコイドーシス / 介在板 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、「ミスセンス変異型AIPIDの炎症惹起メカニズムの解明」ならびに「ゲノムコホートを用いたAIPID遺伝子変異の探索」を目的とした。 共免疫沈降法による変異型AIPIDの結合蛋白探索のために、内因性AIPIDを免疫沈降できるモノクローナル抗体は1種類しか精製できていなかったが、新たな抗体スクリーニングにより、更に5種類のAIPIDモノクローナル抗体の同定と精製に成功した。今後はこれらの抗体を組み合わせることで共免疫沈降法のプロトコールを最適化していく。 変異型AIPIDノックインマウスの心臓組織を用いた1細胞遺伝子発現解析も既に行なっており、心筋細胞で変化した遺伝子群の同定を終えている。今後は検証実験ならびに非心筋細胞との相互作用の評価を進めていく。 また、申請者が同定したAIPIDミスセンス変異と同一の変異を有する別症例の探索を目的とし、複数のゲノムホートの探索を進めている。国内2施設の心筋症ゲノムコホートならびに英国の50万人ゲノムコホートであるUKバイオバンクを用いてAIPID 変異の探索を行った。今回と同一の変異は同定することはできなかったが、新たな候補変異を複数同定できた。今後はこれらの検証も進めていく。また、更に別のゲノムコホートを用いた探索も進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
変異型AIPIDの機能解析に加えて、ゲノムコホートを用いた探索研究を並行して行なっている。共免疫沈降法を用いた結合蛋白探索に関しては、評価系の最適化を重要視したため、当初の予定よりやや遅れているものの、免疫沈降が可能な5種類の抗体の取得に成功している。また、1細胞遺伝子発現解析やゲノムコホートの探索研究は期待以上に進めることができていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は共免疫沈降法を用いた変異型AIPIDの結合蛋白探索を進めていく。更に、1細胞遺伝子発現解析で得られた心筋細胞特異的な遺伝子発現変化の検証ならびに非心筋細胞との相互作用の評価を進めていく。また、AIPID変異の探索も新たなゲノムコホートを用いて進めていく。
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Causes of Carryover |
本年度はゲノムコホートでのAIPID変異の探索を中心に実験計画を進めたため、変異型AIPIDの機能解析に用いる研究費を次年度使用に回す必要があった。次年度では変異型AIPIDの結合蛋白探索ならびに1細胞遺伝子発現解析で得られた変異型AIPIDの下流シグナルの検証実験を行う。
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Research Products
(2 results)