2023 Fiscal Year Research-status Report
成人期先天性心疾患患者における身体活動量と身体的・精神的予後への影響について
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23K15124
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川松 直人 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (00873481)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 成人先天性心疾患 / 運動耐容能 / 身体活動量 |
Outline of Annual Research Achievements |
成人先天性心疾患患者300名,一般成人100名を対象に3軸加速度計を用いて日常生活活動量と座位行動時間を実測,また同時に抑うつなどを評価するアンケート調査を実施した結果と臨床データを合わせて解析する研究である.現在,成人先天性心疾患患者231名,一般成人70名の同意を得て活動量の測定及びアンケート調査を実施済みである. 現状の症例数での解析を行い,学会発表を行っている.下記②については学会発表済みであり,①②それぞれ論文として発表する予定である. ①多くの成人先天性心疾患患者において中高度の身体活動量が不足しているが,自身の活動量について自己評価をアンケートで調査すると実測値との相関は高くなく,課題評価しがちであることが判明した.つまり,先天性心疾患患者に外来で運動療法指導を行う場合,どれくらい活動しているかを本人から聴取するのみでは実際との乖離が大きい可能性があり,それを考慮に入れた指導を行う必要があると考えられた. ②運動耐容能の低下した成人先天性心疾患患者の中高度身体活動時間と心肺運動負荷試験から測定されたpeak VO2は関連することが示された.運動耐容能が低下した患者では日常活動でも無酸素性代謝閾値を超えてしまい過負荷となってしまうことが懸念される.一方で覚醒時間の約6割を座位時間が占めていることも把握できたことから,座位時間を身体活動に置き換えて過負荷にならないよう留意しながらの日常活動指導が望ましいのかもしれないと考えられた. さらに症例数を増やしつつ今回の解析を改めて行い,論文として発表する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在,成人先天性心疾患患者231名,一般成人70名の同意を得て活動量の測定及びアンケート調査を実施済みである.現状の症例数での解析を行い,複数回の学会発表を行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
現状で研究は順調に進んでいると判断している. 登録症例数を増やし,またこれまでの研究成果を改めて論文発表へ繋げられる様準備を進める.
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Causes of Carryover |
データ解析用コンピュータ購入せずに昨年度が終了した.データ収集及び論文投稿用の解析を行う段階に到達しつつあり,2024年度にコンピュータ購入する予定.また,3軸加速度計について既存のものを少数だがレンタルすることができたため購入しなかった.返却の必要があり,また借用していた分の破損・紛失(患者都合による)が生じたため,購入予定であった加速度計を2024年度に購入する予定である.
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