2023 Fiscal Year Research-status Report
NRSF転写調節複合体の心不全発症・進展における役割の全容解明
Project/Area Number |
23K15127
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
稲住 英明 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (10844037)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々ははこれまでに、神経分化に関わる転写調節因子NRSFが心不全の病態進展過程に深く関与し、心筋の恒常性維持に重要であることを明らかにしてきた。本研究課題はどのようにNRSFが心不全発症・進展に関わるかについてさらなる分子機序の解明を目指すものである。 成体心筋細胞においてもNRSFが病的ストレスに対して保護的に働いていることを検証するためにタモキシフェン投与により心筋細胞特異的に遺伝子の組み換えを起こすαMHCcre-ERT2-Tgマウスを用いることで成体(8週齢)において後天的にNRSFを心筋特異的にノックアウト(NRSF icko)した上で横行大動脈縮窄(TAC)を行い、コントロールマウスと比較したところ、より早期の心収縮能低下や生存率の低下をきたした。 またNRSFと複合体を形成するHDAC1,2を同様にタモキシフェン投与により心筋細胞特異的に遺伝子の組み換えを起こすαMHCcre-ERT2-Tgマウスを用いることで成体(8週齢)において後天的にHDAC1,2を心筋特異的にノックアウト(HDAC1,2 icko)した上で横行大動脈縮窄(TAC)を行い、コントロールマウスと比較したところ、こちらもコントロールマウスと比較して早期に心拡大、心収縮能低下をきたすことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2種類の遺伝子改変マウスにおいて表現系の違いが明らかとなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き遺伝子改変マウスの表現系の解析を行うとともにそのメカニズムの解明を目指す。
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Causes of Carryover |
別の研究費(AMED)を助成していただいたため大幅に物品費が浮いたため。 京都大学から東京大学に異動となったため共同研究のために移動が頻回となる予定であり、その旅費として使用させていただく。
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