2023 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of Cardiac Damage by using Cardiac CT in Patients with Aortic Stenosis
Project/Area Number |
23K15150
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高木 英誠 東北大学, 医学系研究科, 助教 (40780565)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | 大動脈弁狭窄症 / CT |
Outline of Annual Research Achievements |
大動脈弁狭窄症(aortic stenosis: AS)は大動脈弁の狭窄とそれに伴う心臓障害により心不全や死に至る疾患である.ASの標準治療は大動脈弁置換であるが,弁を置換したとしても心臓に障害がある場合は,治療による症状や予後の改善効果は乏しい.CTの解析技術が進歩したことで心臓CTを用いたASの心臓障害評価が期待されるが,ASの患者において心臓CTで得られる心臓障害の指標がどのような数値を示し,症状や有害イベントに関連するかは未知である.本研究では心臓CTの形態,ストレイン,細胞外容積分画を計測し,数値がどのような分布を示し,どの程度症状や有害イベントとの関連を調査することで,ASによる心臓障害のバイオマーカーを明らかにし,心臓CTによる心臓障害評価法確立の足がかりとする. 研究の初年度では,東北大学病院で重症ASの治療を行った患者の後ろ向き研究を行うための研究計画を作成し,東北大学病院倫理委員会より研究実施の承認を得た.対象となる合計約400名分の心臓CTを病院の画像サーバーより抽出し,事前に計画した心筋障害の指標となり得るCTの指標を画像解析ワークステーションで計測した.また患者に心血管有害事象や基本的身体情報,既往歴,血液検査,超音波検査所見,心臓カテーテル検査を含んだ臨床情報データを電子カルテより抽出した.心筋障害のステージングを過去の文献を統合して独自に定義した.独自の心筋障害ステージングと予後との関連を統計解析している段階である.CT心筋ストレインの解析に関してはザイオソフト株式会社と共同研究契約を締結し,専用の解析ソフトウェアを貸与し,手持ちのCTデータで解析可能なことを確認した.ただし,1解析あたりの時間が1時間以上にわたるため全体の症例の解析を終えるには時間を要することが予想される.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
後ろ向きの観察研究であり,新規の症例登録が必要ないため順調に作業は進展している.基本的な画像解析はほぼ完了している.患者の臨床データは70%程度の進捗である.
|
Strategy for Future Research Activity |
心有害イベントについて収集しているデータが死亡のみであるため,心不全による入院や脳卒中のイベントの発生に関しても情報収集を行う必要があると考えている. 重症大動脈弁狭窄症におけるCTでの心筋障害評価法をある程度確立させた後に,中等症大動脈弁狭窄症の患者に応用するために,当院の循環器内科医と連携をとって計画を進める予定である.
|
Causes of Carryover |
CTストレイン解析用のワークステーションを当初有償でレンタルする予定であったが,共同研究契約に基づき無償で貸与してもらうことができ,使用額を抑えることができた.次年度以降使用額は,海外旅費が高騰しているため今後成果発表等の海外学会参加に当てたい.
|