2023 Fiscal Year Research-status Report
ヒト化マウスモデルを用いた急性肺傷害における新規治療ターゲットの探求
Project/Area Number |
23K15215
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
爲近 真也 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (00638603)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ヒト化マウス / 急性肺障害 / IL-2 complex / デキサメタゾン / バリシチニブ / PD-1 / CXCR5 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はCD25刺激によりヒト化マウスに再現性をもって急性肺障害(ALI)が生じ、IFN-γやGM-CSFなどの多彩な炎症性サイトカインの産生が上昇し、急速に進行するモデルを用いて、ALIについて検討した。 ヒトCD25刺激としてhIL-2と抗hIL-2抗体(clone 5344)によるhIL-2 complex(hIL-2cx)を使用し、NOGマウスにヒトPBMCを静注後、day7にhIL-2cx投与後、day 9-13までデキサメタゾン(Dex) 5mg/kg/日を腹腔内に投与したが、ヒト化マウスの生存率や肺病理での肺炎像の改善は認めなかった。hIL-2cx+Dexに加え、day 9-13までJAK1/2阻害薬であるバリシチニブ(BARI) 10mg/kg/dayを併用して経口投与すると、有意に生存率や肺病理が改善した。 そこで、肺に浸潤したhuman peripheral helper T(Tph)様細胞(hCD45RA-PD-1+CXCR5-CD4+)についてFACS解析を行った。Dex、Dex+BARIの投与にてTph様細胞数は減少したが、Tph様細胞をTh1様(CXCR3+CCR6-)、Th17様(CXCR3-CCR6+)、Th17.1様(CXCR3+CCR6+)、non Th1,17様(CXCR3-CCR6-)に分画すると、DexやDex+BARIを投与しても、どの分画の細胞数も減少を認めなかった。各T細胞の活性化(HLA-DR+CD38+)を調べた所、Dex、Dex+BARIの追加にて活性化Tph様細胞数は減少したが、Dex+BARIの併用でのみ、活性化Th1様・Th17様・Th17.1様Tph様細胞の有意な減少を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト化マウスの肺に浸潤した肺において、デキサメタゾンのみでは改善せず、デキサメタゾンとバリシチニブの併用により改善したことから、急性肺障害において、どんな細胞が強く寄与しているかを検討しており、現在は、PD-1+CXCR5-CD4+T細胞について解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト化マウスの肺に浸潤した肺において、デキサメタゾンのみでは改善せず、デキサメタゾンとバリシチニブの併用により改善したことから、急性肺障害において、どんな細胞が強く寄与しているかを検討しており、現在は、PD-1+CXCR5-CD4+T細胞について解析している。ただし、PD-1はT細胞が活性化すれば発現するマーカーでもあるため、今後、その他の細胞の解析も検討している。
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Causes of Carryover |
FACSでの細胞解析に時間がかかったため、次年度使用額が生じた。今後も、急性肺障害に強く寄与していそうな細胞や血清マーカーを、引き続き解析していく。
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