2023 Fiscal Year Research-status Report
The elucidation of the role of HIF in podocytes in the pathogenesis of crescentic glomerulonephritis
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23K15223
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
倉田 遊 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20973118)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 低酸素誘導因子 / 半月体形成性腎炎 / 糸球体上皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、主要な糸球体疾患の一つである半月体形成性腎炎における糸球体上皮細胞(ポドサイト)の低酸素誘導因子(hypoxia-inducible factor, HIF)の役割を明らかにするために以下の研究を進めてきた。ポドサイト特異的に発現するPodocinプロモーター下でCreリコンビナーゼを発現するPodocin-Creマウスと、HIFの分解を司るHIF-プロリン水酸化酵素(HIF-PH)1/2/3 floxマウスを交配させることでポドサイト特異的にHIF-PH1/2/3のトリプルノックアウトマウス(以下、TKOマウス)を作製した。TKOマウスにおいてポドサイトでHIFが活性化していることを免疫染色で確認した。通常経過においてはTKOマウスはCre(-)の同腹子(以下、WTマウス)と比較し腎臓の組織所見、腎機能、尿中アルブミン値に差を認めなかった。そこでヒツジ由来抗糸球体血清を投与し半月体形成性腎炎を誘導したところ、誘導後1,4日目では尿中アルブミン値に差を認めなかったが、誘導後7日目においてTKOマウスで有意に尿中アルブミンが高値であった。さらに組織所見ではTKOマウスで半月体形成および係蹄壊死所見が増悪していた。糸球体へのヒツジIgGおよびマウスIgGの沈着を評価したが両者ともにWTマウス・TKOマウス間で差を認めなかった。また、糸球体へのマクロファージ浸潤および好中球浸潤に関しても差を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は遅滞なく遂行されており、今回得られた結果に関してメカニズムを解明するため解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今回得られた結果の詳細なメカニズムを解明するため、糸球体を単離し網羅解析(RNA-seq)を行う予定である。
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Causes of Carryover |
in vivoでの実験結果のメカニズムを検討するためマウスより糸球体を単離し、網羅的解析(RNA-seq)を行う予定であったが、糸球体単離の条件検討に想定よりも時間を要したため、次年度に網羅的解析を行う方針である。
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