2023 Fiscal Year Research-status Report
ポドサイト障害におけるp38 MAPKの意義の解明
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23K15227
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 博之 京都大学, 医学研究科, 助教 (70713650)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ポドサイト / 糸球体上皮細胞 / p38 MAPK |
Outline of Annual Research Achievements |
腎臓における尿の作成には、腎糸球体上皮細胞(ポドサイト)と呼ばれる終末分化細胞が重要な働きをしており、慢性腎不全の病態解明にはポドサイト障害の機序を解明することが求められる。本研究では、ポドサイト障害におけるp38 MAPKの意義を明らかにする ことを目的とした。 そこで、ポドサイト特異的ヒトCD25発現(NEP25)マウスとポドサイト特異的p38MAPKノックアウト(pod-p38MAPK KO)マウスをかけ合わせ、 免疫毒素を用いてpod-p38MAPK KOにポドサイト特異的な障害を起こす実験系の確立に成功した。また、この障害モデルに対して、免疫毒素の投与量で条件検討を行った結果、毒素の投与量に応じてポドサイト障害の重症度の調整が可能であり、軽症であればポドサイト障害も可逆的であることを確認した。そこで、現在、pod-p38 MAPK KO+NEP25マウスに対して免疫毒素を様々な用量で投与して、腎機能、病理所見、ポドサイト障害の表現型の解析を行っている。 また、In Vitroの系においてもゲノム編集技術を用いて培養p38MAPK KOポドサイトの確立を試み、ウェスタンブロットやサンガーシーケンシングでp38MAPKの発現が有意に減少していることを確認している。そこで、p38MAPK KOポドサイトに対して、エンドトキシンやアドリアマイシンなどを投与して、障害を惹起させてこれらの実験系の表現系の解析に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた実験の計画通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに確立された実験系を元にして、さらに解析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
次年度に試薬購入も併せて使用する予定である。
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