2023 Fiscal Year Research-status Report
敗血症におけるガレクチン-9を介した視床下部-腎臓連関メカニズムの解明
Project/Area Number |
23K15229
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
大西 啓右 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (60801397)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 敗血症 / 急性腎障害 / 低体温 / ガレクチン-9 |
Outline of Annual Research Achievements |
エンドトキシン投与下でGal-9や温度による尿細管細胞への影響を同定するために、ヒト尿細管培養細胞にエンドトキシンであるリポポリサッカライド(LPS)を投与し、尿細管障害を誘導した。37℃においてsaline群と比べてLPS群では、濃度依存性に尿細管障害マーカーであるNGALのmRNA発現が上昇した。また低温群(33℃)では同様にLPSの投与を行うと、LPSの濃度依存性にNGALのmRNA発現が上昇したが、37℃群と比較すると全体的にNGALのmRNA発現量は抑えられており、低温環境下ではLPSによる尿細管障害が抑えられる可能性がある。 また敗血症モデルマウスでのGal-9の保護効果の検証を行うために、マウスに麻酔下に盲腸結紮を行い、針で盲腸に穴をあけ腹膜炎を発症させる(CLPモデル)ことで敗血症を起こすモデルを採用している。しかしCLPモデル作成が容易ではないことや個体間での表現型のばらつきが大きかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
培養実験においては低温群では尿細管障害を抑えられる可能性があるが、低温群で24時間培養すると細胞形態の変化や細胞剥離を起こしているため、37℃との比較するためには培養条件の設定が必要と考えている。また敗血症モデルマウス作成ではCLPモデルでの作成が困難であり、本実験まで到達していない。
|
Strategy for Future Research Activity |
尿細管培養細胞の培養条件の設定、尿細管障害を評価する際にmRNAだけでなく、培養上清のNGALの測定を行う。培養条件などが整えばLPS投与時にGal-9投与によって尿細管障害マーカー、炎症性サイトカインを測定し、尿細管障害の程度を評価する。また温度との関連をみるために、培養温度を通常群(37℃)低温群(33℃)に分けて同様の実験を行い、尿細管障害の程度に違いがあるかを評価する。 敗血症モデルマウス作成ではCLPモデルの代わりとして糞便懸濁液投与による敗血症モデルなど病態モデルの変更を検討している。
|
Causes of Carryover |
研究の進捗状況に応じて適宜必要な試薬を購入したが、当初の予定より少なく済んだため。今後も実験試薬の購入等に充てる予定
|