2023 Fiscal Year Research-status Report
Nicotinamide (NAM)の心腎連関の治療としての有用性の検討
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23K15245
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松浦 亮 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30847041)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 酸化的リン酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全により腎臓にどのような影響があるかを網羅的に観察するためにRNAシーケンスを行うこととした。心不全モデルを作成して8週後に腎臓を採取し、RNAを抽出したのちにRNAシーケンスをタカラバイオに委託した。得られたraw countの結果をRNAseqChef (https://imeg-ku.shinyapps.io/RNAseqChef/)に代入して解析した。Differentially expressing genesの検出にはDESeq2を用いた。以下が得られた結果である。 心不全モデルマウスにおいては酸化的リン酸化(Atp5a1, Idh, Coxなど)や脂肪酸の代謝(Cpt1a, Pparaなど)に関連する遺伝子群が低下している傾向にあることを確認し、心不全により腎臓におけるミトコンドリア機能低下が示唆された。一方で心不全モデルにおいてはepithelial mesenchymal transition(Tgfb1, Col1a, Vcam1など)やinflammatory response(Ccl2, Ccl5, Nfkb1, Nlrp3など)に関連する遺伝子群が増加しており、心不全において腎障害進行にはこれらの遺伝子が関与していることが示唆された。これらの関連する遺伝子が変動していることはqPCRでも確認した。 これらの結果はこれまで報告されている臨床研究から推察される病態や基礎研究の結果とは矛盾しないものと考えられる。RNAシーケンスの結果から心不全における腎障害の病態に関与している重要な分子を、文献などから検索している途中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点では予想された結果が得られており、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はNAMなどを含めた介入試験を行い、心不全モデルマウスにおける腎臓のミトコンドリア機能が回復するかどうかを確認する方針。
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