2023 Fiscal Year Research-status Report
エクソンスキッピング誘導による劣性栄養障害型表皮水疱症の病態理解と治療応用
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23K15276
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高島 翔太 北海道大学, 医学研究院, 助教 (60962800)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 先天性表皮水疱症 / 遺伝子治療 / エクソンスキッピング / 選択的スプライシング |
Outline of Annual Research Achievements |
① エクソンスキッピングしたCOL7 cDNA発現ベクターの作成: 本研究を遂行するにあたり、COL7cDNA WTベクターから各種エクソンをスキップしたCOL7 cDNA発現ベクターの作製を行った。ベクターの作製にはKOD mutagenesis kitを用いて行い、大腸菌を用いて形質転換したのち、miniprepで抽出を行った。 ② 培養細胞上清を用いたwestern blot: 本研究ではそれぞれのエクソンをスキップした状態でCOL7に機能性があるかを確認する必要がある。COL7は細胞内で三本鎖を形成し、細胞外に分泌して初めて機能を有するため、エクソンをスキップしたCOL7が三本鎖を巻くかどうかtriple-helix formation assayを行う必要があった。しかしCOL7は非常に大きいタンパクであることからWestern blotの手技も非常に煩雑であることが問題であった。今回我々は、細胞外に分泌された培養上清中のCOL7でのwestern blotの手技安定化を図った。 ③ エクソンスキップを誘導するsplicing factor、RNA binding proteinの探索 すでに公表されているデータベースや遺伝子配列情報を元に候補となるsplicing factorやRNA binding proteinの探索を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞上清を用いたwestern blotでは上清内に浮遊細胞がわずかに含まれてしまうと、細胞内のCOL7を検出してしまう問題点があり、そのような場合には細胞上清にもb-actinなどのhouse keeping geneもわずかに検出されてしまう。 そのような混入を避けるプロトコルの樹立を目指し現在実験を続けているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
複数のエクソンをスキップしたCOL7cDNAの培養細胞上清でCOL7の発現を確認できた時点で、splicing factorやRNA binding protein を用いて特定のエクソンをスキップする実験を開始する。 スキップできるエクソンとしてはいけないエクソンを同定することと同時に、病原性のあるバリアントを有するエクソンをスキップするsplicing factorやRNA biniding proteinを同定することで、疾患治療の選択肢ともなりうると考えている。
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