2023 Fiscal Year Research-status Report
皮膚局所のリンパネットワークとしてのiSALTについての検討
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23K15284
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小亀 敏明 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (00744111)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | iSALT / 非典型的B細胞 / リンパネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚の局所ネットワークとしてのiSALTが存在するかどうかの検討としてinductive siteとしてのリンパ濾胞内に、J-chainの発現を認めていたが、その関連因子もスクリーニングの結果可溶性IgAの分泌に関連する遺伝子の発現を確認した。次に、これらの因子の免疫染色を用いて、様々な疾患にてスクリーニングを行った。その結果、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症などリンパ濾胞様構造の形成を認めない疾患においてこれら因子の発現を伴う非典型的B細胞の存在を認めた。また、これらの疾患のpublicのscRNA sequenceのデータを解析すると、同様のB細胞の存在を確認した。よってこれらの病変部はiSALTのeffector siteの可能性を考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
リンパ濾胞様構造に特殊なB細胞が存在するか、またそれらのB細胞がリンパ濾胞を伴わない部位に遊走するかは当初、不明であったが、可溶性IgA関連蛋白質を産生する非典型的B細胞が、それぞれに存在することを確認した。今後これらの表現型を解析することで、少なくともアトピー性皮膚炎と円形脱毛症における病態生理の新しい側面の理解を得られる可能性がある。また、究極的な目的であるリンパネットワークを形成しているかについてはマウス実験が必要であるが、これらの疾患が有用な疾患モデルである可能性が示された。
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Strategy for Future Research Activity |
アトピー性皮膚炎および円形脱毛症で認められた非典型的B細胞のprofileをnanostring社のGeoMxやbulk RNA sequenceで確認する準備を進めている。必ずしもB細胞の浸潤が多いとされない疾患で認められているため、スクリーニングの範囲をさらに広げて皮膚疾患を検索する。それぞれの疾患群におけるB細胞の役割を検討する。
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Causes of Carryover |
scRNA sequenceにて細胞をスクリーニングする予定であったが、院内に存在するサンプルを免疫染色でスクリーニングする安価な方法で目的の細胞を種々の疾患で確認することが出来たため安価に目的を達成でいた。今後、非典型的B細胞のprofileの確認のためにBulk RNA sequenceやGeoMxの実験に用いることとした。
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