2023 Fiscal Year Research-status Report
血中BAFF活性及び一細胞解析によるループス腎炎の病態解明とバイオマーカーの確立
Project/Area Number |
23K15345
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
糸田川 英里 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (10973597)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | SLE / BAFF / IFN-I / lupus nephritis |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、全身性エリテマトーデス(SLE)患者における血清BAFF活性と尿中BAFF活性の、ループス腎炎における病的意義や、SLE患者を血清IFN-I/BAFF活性に基づいて層別化を行うことの重要性について既報にして示し、現在、その詳細なメカニズム等についての解析を行っている。具体的には、さらに患者検体数を増やして解析することを目標とし、SLE患者の血球や血清を収集しながら、腎組織や末梢血の遺伝子解析の準備を行なっている。 特に、抗BAFF抗体Belimumabや抗IFN受容体抗体Anifrolumab投与中の患者に着目し、治療前後の血球や血清の解析を行なっているところである。 SLE患者の尿検体の収集も進めており、ループス腎炎の尿中BAFF活性による診断能をより多い検体で確立させるため、特に腎生検を行なって組織型のわかっている患者、治療導入前の患者等の検体を積極的に収集している。 また、BAFFの生体内での働きをより詳細に解析するため、BAFFのタンパク構造などにも着目し、SLE患者血清中のBAFFの動態や機能の解析を進めており、生体内での構造を解明するための実験手技を確立したところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検体の収集が概ね予想通りに進んでいる。また、BAFFのSLEにおけるタンパク質の動態について新たな知見を得るための実験手技を確立した。遺伝子解析のための組織・血球採取や解析の準備が進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
収集した検体の症例数が目標数に達したところで、尿や血清のBAFFやIFN-I活性の測定を行う。 BelimumabやAnifrolumab治療前後の変化に着目した解析を行う。 また、患者血球や組織の発現遺伝子の解析を進める。
|
Causes of Carryover |
当初より2年間の計画で使用する予定であり、今年度は遺伝子解析や解析用の物品、学会発表などに費用を要した。次年度は次年度使用額を用いて、更なる組織学的な遺伝子解析などを行なっていく予定である。
|