2023 Fiscal Year Research-status Report
強皮症線維化病態における疾患特異的PDEサブタイプの探索
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23K15358
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
樋口 智昭 東京女子医科大学, 医学部, 寄附部門講師 (80836966)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 強皮症 / 線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
強皮症皮膚線維芽細胞および健常人由来皮膚線維芽細胞を用いて、ホスホジエステラーゼ(PDE)の発現、さまざまな線維化促進因子を添加した際のPDEの発現の変化、およびPDE阻害薬を添加した上でTGF-β1を添加した際の線維化マーカーの変動についての検討を、予備実験に引き続いて行った。いくつかの有望なPDEアイソザイムを確認できたが、安定した結果を得ることができなかった。理由として、安定した実験系を確立できていない可能性があるため、もう一度見直しを行い、次年度にに継続して解析を行うこととした。そのような結果であり、本研究の成果については学会発表を行うことはできなかったが、ヨーロッパリウマチ学会(EULAR)やアジア太平洋リウマチ学会(APLAR)に参加し、情報収集や専門家との意見交換に努めた。次年度については、前に述べたようにPDEアイソザイムをin vitro実験で探索する試みを続ける。また、最近、PDE4B阻害薬の抗線維化作用と抗炎症作用により発揮される抗線維化作用が注目されているRicheldi L, et al., NEJM, 2022)。PDE4B阻害薬は消化器症状を引き起こさないことで特に注目されているが、我々の研究目的であるPDEアイソザイム探索のゴールとなり得る分子である。PDE4B阻害薬の線維化抑制作用について、まだ十分に解明されていない点があることや、皮膚線維化に対する有効性などもわかっていないため、PDE4B阻害薬の有効性についての検証も可能であればプロジェクトの対象としたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験系の確立がうまくできなかったため
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きin vitro実験の解析を続け、線維化と関連するPDEアイソザイムを探索する。可能であれば、マウス実験に繋げる。また、PDE4B阻害薬の有効性についても検証を行う。
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Causes of Carryover |
一部の実験で進捗が遅れ、次年度に持ち越しになったため。繰越金はプライマー購入など研究のための物品費に充てる予定。
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