2023 Fiscal Year Research-status Report
難治性自己免疫疾患の骨破壊、形成双方に関わる新規ヘルパーT細胞の機能的役割の解明
Project/Area Number |
23K15360
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
宮崎 佑介 産業医科大学, 医学部, 助教 (30596680)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
Keywords | Th22細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではTh22細胞に注目し、(1)Th22細胞の分化機構・機能、(2)RA、SpAにおけるTh22細胞の病原的役割の解明、(3) RA,SpAにおける単球からの破骨細胞への分化、SpAにおける骨芽細胞への分化を介したTh22細胞の機能的役割を探索・検証し、新規治療を創出することを目的として研究を行う。 まず、Th22細胞の分化機構・機能を明らかにするために健常人からCD4陽性T細胞を抽出し、試験管内でIL-6、TNF-α、IL-1βの刺激下で分化培養させて、Th22細胞(CD3+CD4+CCR4+CCR6+CCR10+、CD3+CD4+IL-22+IFN-γ-IL-17-)が、それぞれ単独のサイトカイン刺激、他のサイトカイン(IL-2、IFNγなど)刺激と比較し、より多く効率的に分化誘導されることを明らかにした。そしてこの分化偏向を齎す主要転写因子を明らかするために、上述のTh22細胞に加え、Th17細胞、Th1細胞を分化誘導させ。それぞれのマスター転写因子をRT―PCRで評価し、Th22細胞のマスター転写因子がAhRであることを明らかにした。そして、Th22細胞の分化誘導系にTNFα阻害薬、IL-6阻害薬、JAK阻害薬を添加することにより、それぞれの阻害薬がTh22細胞の分化誘導を抑制することを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Th22細胞の分化誘導とそれに関わるマスター転写因子を明らかにすることができた。そしてTNF阻害薬、IL-6阻害薬、JAK阻害薬による、分化誘導抑制も明らかにすることができたため、研究は概ね順調に進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
RA、SpAにおけるTh22の病原的役割の解明、RA,SpAにおける単球からの破骨細胞への分化、SpAにおける骨芽細胞への分化を介したTh22細胞の機能的役割を探索・検証するために、まずはRA患者とSpA患者におけるTh22細胞、そしてIL-22の分布を明らかにする。
|