2023 Fiscal Year Research-status Report
ヒトRSウイルスの病原性とインフラマソーム活性化機構
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23K15381
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
森田 奈央子 愛知医科大学, 医学部, 助教 (20815881)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | RSウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトRSウイルスは、世界中の乳幼児における重篤な下気道感染症の主な原因である。過剰な免疫応答が重症化の原因であるとされているが、詳細なメカニズムは不明である。近年、抗ウイルス免疫として重要なインフラマソームがRSウイルス感染時に過剰応答することによって重症化することが明らかになってきている。本研究は、RSウイルスがどのようにインフラマソームを活性化するのか詳細なメカニズムを解明し、重症化への関連を明らかにすることを目的とする。 当該年度では、インフラマソームを活性化させるRSウイルス蛋白質について、機能領域の特定を試みた。まず、標的としたRSウイルス蛋白質の遺伝子について、欠失や塩基置換を入れた変異体発現プラスミドを12種類作製した。これらの蛋白質の発現が、インフラマソームの活性化を促進するかどうかを、インフラマソーム再構成系にて検討した。その結果、標的蛋白質のある領域のみを発現させるだけで、野生型蛋白質と同程度のインフラマソーム活性を引き起こすことが分かり、この領域がインフラマソームの活性に重要な機能領域であることが推測された。現在は、詳細なメカニズムを解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度では、標的蛋白質について、インフラマソーム活性に重要な機能領域を特定できたことから、おおむね当初の予定通り進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
今回特定した機能領域について、具体的にどのようにインフラマソームを活性化しているのか、メカニズムの解明を試みる。
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Causes of Carryover |
想定よりも少ない実験で機能領域を特定することができたため、消耗品費を節約することができた。現在行っているメカニズム解析の方が想定より難航しているため、そちらで使用する。
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