2023 Fiscal Year Research-status Report
肥満2型糖尿病の最適化治療に向けたGLP-1と摂食行動および食嗜好性の連関の解明
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23K15403
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
園田 里美 産業医科大学, 医学部, 助教 (30644009)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 肥満症 / 2型糖尿病 / GLP-1受容体作動薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満症の増加は深刻な社会問題であり、肥満の是正のために摂食行動を制御することは肥満症の重要な治療ターゲットの1つである。摂食行動は、視床下部を中心として、中枢神経に分布する多数の神経ペプチドによって促進的あるいは抑制的に制御されている。GLP-1 受容体は視床下部など中枢神経の広範囲に存在し、糖尿病治療薬の一つであるGLP-1受容体作動薬はこれらに直接作用することで摂食抑制をもたらし、肥満2型糖尿病患者の体重減少に有効であると考えられている。しかし、GLP-1受容体作動薬の摂食抑制作用が、どのような肥満2型糖尿病患者に有効であるのか、食行動や食嗜好をどのように変化させることに寄与しているのか、また、それがどのような機序で生じているかは明らかではない。 そこで、肥満2型糖尿病患者におけるGLP-1受容体作動薬の投与前後の摂食行動や食嗜好の変化を検討してGLP-1受容体作動薬が有効な患者像を把握し個別化医療に役立てるとともに、この摂食行動や食嗜好が変化した際の視床下部を含む脳内の各神経核の変化について動物レベルでの検討も行うことで、GLP-1受容体作動薬が摂食行動や食嗜好を変化させる機序について解明することを目的としている。肥満2型糖尿業患者に対して、GLP-1受容体作動薬の投与前後での食行動や食行動を調査する研究計画を予定しており、食行動に関する投与前の質問票を用いた検討を行っているが、臨床にて使用できるGLP-1受容体作動薬で出荷制限のある薬剤があり限られるために、やむを得ず研究自体の開始が遅れている現状にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
肥満2型糖尿業患者に対するGLP-1受容体作動薬の投与前後での食行動や食行動を調査する研究計画を予定しているが、臨床にて使用できるGLP-1受容体作動薬で出荷制限のある薬剤があり限られるために、やむを得ず研究自体の開始が遅れている現状にある。
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Strategy for Future Research Activity |
使用を予定しているGLP-1受容体作動薬の出荷制限が解除となり、今後は臨床にて使用が可能となるため、予定している研究を進めることができる見込みがある。再度出荷制限になった際には、使用薬剤を再考して研究計画を再度検討する予定である。
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