2023 Fiscal Year Research-status Report
Pathophysiology and therapeutic application of refractory Graves' disease by peripheral blood immunophenotyping
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23K15423
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
黒住 旭 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (70553808)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | バセドウ病 / 難治性病態 / 末梢血リンパ球フェノタイプ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではバセドウ病の難治性病態の解明を目指して、末梢血リンパ球フェノタイプの解析によって特にリンパ球をはじめとした免疫細胞における細胞表面マーカーに着目し、治療前後におけるその発現状態の変化に着目し、最終的にバセドウ病難治症例での自己反応性リンパ球の特徴を見出し、早期に手術やアイソトープ治療等へ移行するべき症例を明らかにし、最適な治療選択に繋げることを最大の目的とする。 治療24ヶ月後における寛解群・非寛解群間での臨床的指標の差としては、TRAbや甲状腺腫大の改善はいずれもRGの方が良好であった。全症例におけるリンパ球サブセットの変化としては、24ヶ月後にactivated Th17, activated Tfh, double negative B, plasmablastなどの割合は有意に減少した。全症例におけるリンパ球サブセットの変化と臨床的指標の変化との相関としては、24ヶ月後にTRAbの低下や上甲状腺動脈の流速低下はdouble negative Bの低下と有意に相関を認めた。24ヶ月後における寛解群と非寛解群間のリンパ球サブセットの差は、非寛解群の方がdouble negative Bが有意に多かった。寛解群・非寛解群間における0-24ヶ月のリンパ球サブセットの変化については、2群間で大きな差は認めなかった。 以上からバセドウ病の難治性病態には抗体産生に関わるB細胞の分化異常が関与している可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
治療24ヶ月時点において、バセドウ病難治性病態へのB細胞分化異常の関与がある程度明らかになってきている。一方でベースラインのリンパ球サブセットとバセドウ病寛解の関係についてはまだ検討できておらず今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後治療36か月時点での末梢血リンパ球フェノタイプの解析を行い、バセドウ病の難治性病態について検討していく。
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