2023 Fiscal Year Research-status Report
迅速血清成分分析ならびに機械学習を用いた新たな乳がん診断システムの開発
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23K15428
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
中山 裕子 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (90769001)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 乳癌 / 質量分析 / リキッドバイオプシー |
Outline of Annual Research Achievements |
「研究の目的」本研究の目的は血液検体から採取した血清検体の質量分析を行い、多数の検体から取得した生体分子の組成全体をAIで比較・検証することで、早期乳がんに対する診断および治療効果判定に有用なスクリーニング・モニタリングシステムを構築することである。本システムは、質量分析に必須の工程である生体分子をイオン化する機構に、本学 の平岡が独自開発した探針エレクロトスプレーイオン化法(PESI)を用いる。 「研究実施計画」A.2023~2024年度の計画:スクリーニングシステムの確立 対象:正常人および線維腺腫・葉状腫瘍・乳がん治療前に採取した血液検体 a. 2021年~2023年に当院で線維腺腫・葉状腫瘍・乳がんと診断した18歳~80歳までの症例(目標症例数 300症例) b. 全Stageを対象とし、術前もしくは術前治療前に採取 c. 他臓器がん合併症例は除外
研究方法:①対象症例の血液検体を用いて血清を採取する。②収集した血清を質量分析し、マススペクトルデータを蓄積する。③Stage、組織型、免疫組織染色から得られた乳がん関連マーカー(ER、PgR、HER2、Ki67、PD-L1、PD-L2、TILなど)との関係について統計解析と判別分析を行う。
現在、早期乳癌治療前(術前・術前化学療法前)および転移・再発乳癌治療前(薬物療法前)の血液検査を100検体採取し、PESIを用いて解析を行った。バイオマーカーとなりうる複合因子の候補を抽出し、解析を行っている。解析結果については、2024年7月に開催予定の第32回日本乳癌学会学術集会で発表予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目標症例を2年で300症例としているが、研究期間1年が終了した時点での解析した症例数はまだ100例となっている。今年度は検体採取方法について見直し、2025年度までに目標症例数 300例の達成を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
研究方法:①対象症例の血液検体を用いて血清を採取する。②収集した血清を質量分析し、マススペクトルデータを蓄積する。③Stage、組織型、免疫組織染色 から得られた乳がん関連マーカー(ER、PgR、HER2、Ki67、PD-L1、PD-L2、TILなど)との関係について統計解析と判別分析を行う。
現在、目標症例数に到達していないことから、引き続き、検体採取を継続する。また、現在、解析対象となっている症例については、Stage、組織型に加え、免疫組織染色を追加し、ER、PgR、HER2、Ki67、PD-L1、PD-L2、TILについて情報収集を行う。情報収集後に、乳がん関連マーカーと、質量分析し得られたマススペクトルデータとの関係について統計解析と判別分析を行う。
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Causes of Carryover |
前年度、目標症例数に到達できなかったことから、次年度使用額が生じた。今年度も引き続き目標症例数に向けて検体採取および解析を継続する。解析方法は、採取した血清検体の質量分析を行い、マススペクトルデータを蓄積する。本システムは、質量分析に必須の工程である生体分子をイオン化する機構に、本学 の平岡が独自開発した探針エレクロトスプレーイオン化法(PESI)を用いる。目標症例数は300症例としている。
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