2023 Fiscal Year Research-status Report
Discrimination of pancreatic cancer oligo-metastases by metastasis phylogenetic tree analysis
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23K15469
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
渡邊 秀一 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (20771827)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 膵癌 / 転移 / 局所治療 / マウスモデル / 遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治癌である膵癌を題材として、局所治療が有効となる転移形式を判別することを目的として研究をすすめている。具体的には原発巣から最初の転移巣へ転移したあとその転移巣である程度の時間を経てから次の転移巣へ向かうような飛び石状に転移していくモデルを考えている。このような病態が臨床的に意義があるものなのかを調査し、動物モデルでの再現を行い転移形式の解明をめざすことを計画している。研究計画は以下である。①膵癌オリゴ転移症例の臨床病理学的特徴の解明:当科で2005年1月から2016年1月の間に切除を行った膵癌症例のうち、再発を認めた110症例を解析した。再発形式に注目して単発再発群と多発再発群の2群に分類を行ったところ全生存期間中央値は単発再発群が1251日、多発再発群が515日(log-rank, p=0.004)と有意差を認めた。単発で再発した症例のうち,24%(n=6)に再切除が行われその全生存期間中央値は2216日でありその予後は膵癌再発例としてはきわめて良好であった。②膵癌オリゴ転移症例のゲノム解析による転移進展形式の解明:上記コホート内の1例について系統樹解析を行ったところ、再再発病変は原発巣ではなく再発病変に起源をもつことが示唆された。③膵癌PDX転移モデルマウスを用いた転移のゲノム解析、転移クラスター解析:当科で樹立された肺転移を起こす患者がん由来モデルを用いて転移の解析を行う。初年度は主に①、②の臨床解析を施行した。一方で③の動物モデル樹立のためにマウスモデルでパイロット実験を施行し皮下転移原発、リンパ節、対側のリンパ節、肺転移のサンプルを取得した。今後これらについて遺伝子解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスモデルの樹立が最も困難が予想される部分であるが、マウスモデルの樹立が複数回施行でき今後の研究へとつながる成果がえられたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はマウスモデルを用いた実験をさらにすすめていく予定である。
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