2023 Fiscal Year Annual Research Report
抗アポトーシス遺伝子MCL-1を標的とした新規治療の開発
Project/Area Number |
23K15559
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
徳永 義昌 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (20635825)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非小細胞肺癌 / バイオマーカー / MCL-1 / 細胞増殖 / ドセタキセル / アデノウイルス随伴ウイルスベクター |
Outline of Annual Research Achievements |
研究概要:近年、肺癌領域において分子標的治療や免疫療法に代表されるバイオマーカーに基づく治療の進歩によって大きなベネフィットがもたらされた。しかし長期治療効果を得られるのは少数の患者である。これまで我々が研究してきたMCL-1(Myeloid cell leukemia-1)はアポトーシスを阻害して細胞死を回避し、腫瘍増殖および微小管阻害作用性抗癌剤耐性に関わっている。遺伝子発現抑制効果を延長させるため、siRNAをアデノ随伴ウイルスベクターに組み込み、このアデノ随伴ウイルスベクターを用いてin vitroおよびin vivo実験により機能解析を行い、MCL-1を標的とした非小細胞肺癌の治療戦略の構築を目標とする。 研究実績:既に予備実験にて抗腫瘍効果を証明したsiMCL-1の結果に基づいて、アデノ随伴ウイルスベクター(AAVベクター)を作製した。まず,非小細胞肺癌株(RERF, H358)において有効性を証明したsiRNA配列のshRNAを作製し、pAAV-CMV Vector (AAVpro Helpar Free System, 6230, Takara)にクローニングした。次に目的遺伝子MCL-1をクローニングしたpAAV-CMV Vectorとキットに含まれるpRC Vector、pHelper VectorをAAVpro 293T Cell Line (632273) にトランスフェクションして3日間培養し、ウイルスのパッケージングを行った。培養後のAAVベクター産生細胞からウイルスを抽出・精製し、シーケンシングにて目標配列を確認した。さらに高力価なshRNA発現アデノ随伴ウイルスベクター (AAV-shsiMCL-1) を血清型2と血清型5 (AAV2-shsiMCL-1, AAV5-shsiMCL-1 )の2種類を作製した。
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