2023 Fiscal Year Research-status Report
麻酔下成熟マウスにおけるセボフルラン誘発性gaspingの体温変化による影響の検討
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23K15572
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
泰地 沙季 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (40896403)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | gasping / セボフルラン / 体温変化 / 舌骨上筋群 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、①C57BL6マウスにおけるgaspingの定義の検討、②新しい計測項目の検討、③動脈血液ガス採取の方法の検討と習熟、を行った。 ①に関して、gaspingは少ない呼吸回数・大きな一回換気量・大きな呼吸努力を特徴とし下顎の動きを伴った異常呼吸の1種として知られているが、その定義を詳細に検討した研究はほとんどない。体温変化によるgasping抑制を検討するにはgaspingの定義が必要と考え、上記の検討を行った。この結果は今後論文として発表する予定である。 ②について、呼吸努力を測る指標の一つとして、舌骨上筋群の筋電図が有用と考え、体温変化や高濃度セボフルランによる舌骨上筋群の筋電図変化について実験を行っており、セボフルラン誘発性gaspingでは舌骨上筋群の活動が増大することが観察された。さらに、中等度の麻酔深度では、低体温が呼吸を抑制する過程で一時的に呼吸数の低下と一回換気量の増大があるがgaspingとは異なることがこれまでの実験でわかっている。この時の筋電図がgaspingほど増大しないことも観察された。 ③動脈血液ガス採取の方法の検討と習熟は、今後の実験の準備として現在も継続して行っている。本研究ではマウス同一個体から実験中の適切なタイミングに複数回安定して動脈血液ガス採取を行う必要があるため、従来の尾動脈からの採取では不十分と考え、大腿動脈にカニュレーションして採血することを検討している。最終的には血圧測定にも使用したいため、安定したカニュレーションを行えるように手技の習熟のための練習を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
体温変化によるセボフルラン誘発性gaspingの影響を検討するにあたり、gaspingの定義が必要なことが判明し、それのためのデータ収集・解析に時間がかかった。定義を検討するにあたり別の実験を行う必要もあり、余計に時間を要した。 動脈血液ガス採取に関しては外部の研究者に教えを請い、その後は定期的に練習しているがまだ手技の習熟話されていない。これも実験を遅らす原因の一つになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
gaspingの定義は決定できたため、この定義を用いて今後の実験における検討を行う。 筋電図による評価はある程度有用性が確認できたが、まだ測定結果は安定しておらず、引き続き評価方法を検討する。 動脈血液ガス採取の方法はまだ習熟していないが、動脈血液ガス採取を要する実験は本研究の一部であり、ほかの実験を先に行っていくこととする。
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Causes of Carryover |
2023年度はCO2を計測する実験まで至らなかったため小動物用CO2アナライザーを購入しなかった。2024年度は本実験を開始する予定のため、次年度使用額はCO2アナライザー購入額として使用する。
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