2023 Fiscal Year Research-status Report
Role of a novel hypothalamic protein SRPX2 in hypothalamic injury after subarachnoid hemorrhage
Project/Area Number |
23K15671
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岳元 裕臣 熊本大学, 病院, 助教 (50883021)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | SRPX2 / subarachnoid hemorrhage / mouse SAH model / hypothalamus |
Outline of Annual Research Achievements |
研究開始時点での成果である、SAH後の視床下部傷害は超早期から少なくとも急性期には存在することを免疫組織学的に明らかにしたことについて、2024年2月に国際学会にて報告し (International Stroke Conference 2024)、また新規視床下部タンパクであるSRPX2が超急性期に低下することと体温や神経保護作用を持つオキシトシンも超急性期に低下することも同様に、国際学会にて報告した(International Stroke Conference 2024)。 当初の計画であるラットくも膜下出血モデルの作成について、研究環境は整えつつあった。しかしながら、実験開始直前に、当初の計画と異なり、齧歯類を用いた麻酔時の人工呼吸器機が使用不可能となった。ラットくも膜下出血モデルはヒトのくも膜下出血と同等の死亡率を来すため、人工呼吸器が使用できなければ死亡率が上昇し、倫理的にも問題であると考えた。さらに、ラットくも膜下出血モデルを用いた生理学的評価の一部も実験機器の使用が困難となったことから、実験内容に大幅な制約が発生した。 そのため人工呼吸器を用いなくとも死亡率の低いマウスを用いた血管内穿刺くも膜下出血モデルを用いる方針として、再度実験環境を整える方針とした。そのためこの一年で血管内穿刺くも膜下出血モデルの確立を行い、また生理学的評価が可能な設備機器なども使用可能な環境を整えることができた。現在、動物実験を開始している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前述の通り、当初はラットくも膜下出血モデルを用いた研究を想定していたが、実験環境の変化から実験内容の制限が発生したため、マウスを用いた血管内穿刺くも膜下出血モデルを用いる必要が出た。そのためラットくも膜下出血モデルを用いた実験の環境が整えられるかという問題に対処すること、ラットからマウスへ実験動物を変更したことからマウス血管内穿刺くも膜下出血モデルの確立から取り掛かる必要が出たことから実験計画としてはやや遅れをとった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は予定通り1)SRPX2脳室内投与群とSham群を比較し神経学的障害に差が出るか2)くも膜下出血患者と健常人の血液検体におけるSRPX2の発現が異なるかどうかを検証すべく研究を進めたい。思うような結果が出ない場合は、SRPX2以外にもくも膜下出血の予後に関連する視床下部タンパクのうち視床下部障害に関連する様々な関連タンパクを広く探索し、よりくも膜下出血の予後因子である視床下部傷害と強く関連する新規治療ターゲットを探索したい。
|
Causes of Carryover |
当初はラットくも膜下出血モデルを用いた研究を想定していたが、実験環境の変化から実験内容の制限が発生したため、マウスを用いた血管内穿刺くも膜下出血モデルを用いる必要が出た。そのためラットくも膜下出血モデルを用いた実験の環境が整えられるかという問題に対処すること、ラットからマウスへ実験動物を変更したことからマウス血管内穿刺くも膜下出血モデルの確立から取り掛かる必要が出たことから実験計画としてはやや遅れをとり、結果として実験に使用する予定であった予算の一部が次年度に使用することとなった。
|