2023 Fiscal Year Research-status Report
脳室上衣線毛運動の老廃蛋白排泄機構における生理的意義および加齢による影響の解明
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23K15674
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
川村 海渡 順天堂大学, 医学部, 非常勤助手 (60814895)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 脳室線毛 / 水頭症 / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス脳室内から脳槽へのクリアランス評価実験において、当初脳室上衣より吸収され得ないマイクロビーズを用いて実験を行ったが、大槽へ排出されるビーズ量のばらつきが大きく、穿刺部と脈絡叢の位置関係の影響で、脈絡叢にビーズがトラップされデータがばらついている可能性が考えられた。蛍光色素を用いた実験方法において、脳実質も同時に採取することで、吸収された色素量も測定する手法を考案し実験を行った。8週齢の野生型マウスおよびDNAH14ノックアウトマウス側脳室内に蛍光色素を注入した実験により、DNAH14ノックアウトマウスにおいて脳室から脳槽へ排出される色素量が野生型と比較し減少している結果を得た。脳実質内に吸収された色素量の測定においても、穿刺部側においてDNAH14ノックアウトマウスで色素量が少なく、脳室内にも吸収されていないことから、脳室内に残留しているものと考えられた。NiCl2による線毛停止について、過去の文献とは異なる条件での実験のため、マウス線毛運動を停止させるために十分な試薬濃度、量および暴露時間の検討を行った。結果、濃度100mM、量1μlで3分暴露することで線毛運動の停止が確認された。現在線毛停止による色素排泄量を計測中である。 また、令和7年度に予定している若齢および老齢マウスにおける線毛密度の比較についても実験を進めている。電子顕微鏡での観察によって、事前の想定どおり、脳室前方と比較し後方へいくにつれて線毛密度が低下し、また老齢マウスでその傾向が顕著である様子が観察された。この観察結果に定量性をもたせるため、ガンマカテニンによる線毛の蛍光染色を行い、コンフォーカル顕微鏡での観察によって線毛の本数や分布を定量的に評価する実験を追加する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度に予定していた実験結果は概ね得られている。一部結果が得られていない内容もあるが、一方で令和7年度に予定している実験も一部進行できており、総合的には順調に進行していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度では、ひきつづきNiCl2によって線毛運動を停止したマウスでの色素クリアランスの測定を行う。また、当初予定していた、DNAH14ノックアウトマウスとAPPノックインマウスをかけ合わせたマウスの脳組織、髄液採取を行い、アミロイドの蓄積を評価する。同時に、令和7年度に予定している若齢マウスと老齢マウスの比較実験において、蛍光免疫染色の適切な条件検討を同時に進行させる。
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Causes of Carryover |
論文校正費を予定していたが、論文投稿が次年度となったため差額が生じた。現在投稿準備中であり、次年度に繰り越して計上する予定である。
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