2023 Fiscal Year Research-status Report
Protective therapy for penumbra on ischemic stroke by targeting CD276-expressing macrophages.
Project/Area Number |
23K15675
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
内田 和孝 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (10570674)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 脳梗塞 / 中大脳動脈閉塞モデル / CD276(B7-H3) / 炎症抑制 / 炎症性サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、脳梗塞ペナンブラ領域で免疫チェックポイント分子CD276(B7-H3)および各種関連分子を発現するマクロファージの関与を時間的空間的に詳細に解析し、その免疫学的役割を明らかにするとともに、マクロファージを介した非感染性急性炎症反応を抑制することでペナンブラ領域が保護されるのかを確認することを目的とした。 初年度は市販のKOマウスと同系であるC57BL/6マウスを用いた脳梗塞モデルの確立を行い、再現性を確認するとともに、予備実験ではCB-17マウスでペナンブラ領域でのCD276 発現マクロファージの存在を確認していたが、同様の所見をC57BL/6マウスでも確認した。また、免疫学的染色を中心としたCD276以外の免疫共刺激分子の探索および機能解析を併せて行い、CD276発現マクロファージの病的意義とその脳梗塞ペナンブラ領域に対するメカニズムの解明を行っている。 今後は、野生型と同系のCD276 KOマウスの比較によりCD276の機能的役割を確認することで、CD276 発現マクロファージが急性炎症に関与している場合、野生型マウスに対するCD276中和抗体による介入で急性炎症反応を抑制し、ペナンブラを保護できるのかを確認する計画としている。 本研究の結果によりCD276を標的とした治療介入で急性炎症反応を抑制し、ペナンブラを保護し神経学的後遺症の軽減を目指した新たな治療を提案することができ、患者の予後改善に寄与できると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
C57BL/6マウスで脳梗塞モデルを作成し、ペナンブラ領域でのCD276 発現マクロファージの存在を免疫染色により確認した。フローサイトメトリー解析、トランスクリプトーム解析も並行して行っていくこととしているが、KOマウスが入手できていないことからKOマウスを用いた実験系については遂行できていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、脳梗塞モデルマウス作製と、その脳組織採取を行い、フローサイトメトリー解析、トランスクリプトーム解析、網羅的サイトカイン解析などデータ取得し、CD276以外の免疫共刺激分子の探索および機能解析を併せて行う予定である。併せてCD276 KOマウスを入手し次第、野生型マウスとの比較を行う方針としている。研究期間全体では予定研究が完了できると考えている。
|
Causes of Carryover |
年度末に購入した物品が多く、今年度分には計上されていないものが多いが概ね計画通り使用している。繰り越した経費は実験に使用する試薬を購入のため充当する予定である。
|