2023 Fiscal Year Research-status Report
IGF-1R抗体-shRNA搭載ナノバブルを用いたEwing肉腫の治療
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23K15728
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
山崎 裕太郎 福岡大学, 医学部, 助教 (40968252)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ナノバブル / 超音波 / Ewing肉腫 / 抗腫瘍効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、薬物導入に用いるナノバブルの超音波条件検討を中心に研究を行った。アルブミンベースのナノバブルに対して低周波超音波照射を行い、ナノバブルの崩壊率を検討した。ナノバブルとドキソルビシンを溶液中に混合し、音響透過性フィルム底の96ウェルプレートに培養された腫瘍細胞株に対し、超音波照射による薬物導入実験を行った。その結果、ナノバブルの崩壊率は照射時間、強度に依存することが分かった。ナノバブルとドキソルビシン溶液を用いた細胞生存率は、低周波超音波の最大強度の25%に5秒間暴露すると、超音波照射を用いない場合と比較して著しく低下することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、予定していた生体動物での薬物送達実験、Ewing肉腫細胞株と抗体医薬を用いた抗腫瘍効果、Ewing肉腫リン酸化の評価などは行えなかった。一方で、使用するナノバブルの条件検討に関する実験を優先して行った。その結果、ナノバブルの超音波応答に関する物理的性質が明らかになったことから、総合的にはおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、初年度に実施できなかった生体動物での薬物送達実験、Ewing肉腫細胞株と抗体医薬を用いた抗腫瘍効果、Ewing肉腫リン酸化の評価などを実施する。その上で、初年度の結果から示唆される、ナノバブルを共鳴させる超音波条件での抗腫瘍効果の確認実験を進める。また、ナノバブルを用いない新規条件でも治療実験を行い、抗腫瘍効果を比較する。
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Causes of Carryover |
次年度は、初年度に実施予定であった生体動物での薬物送達実験、Ewing肉腫細胞株と抗体医薬を用いた、MTT試験、Ewing肉腫アレイ解析などの実験を行わなかったため、次年度使用額が生じた。これらの実験は次年度に実施予定であり、その際の支出として使用予定である。
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