2023 Fiscal Year Research-status Report
マルチメカニズム骨代謝数理モデルに基づくin silico仮説検証フレームワークの開発
Project/Area Number |
23K15739
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金 英寛 京都大学, 医生物学研究所, 助教 (30843338)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 仮説検証 / In silico実験 / マルチメカニズム連成数理モデル / 骨粗鬆症治療薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨代謝系をはじめとする複雑な調節系において、仮説検証実験は未知の機構を解明するための強力な手法である。近年、実験技術の躍進やデータ科学の高度化に伴い、複雑な仮説が膨大に創出されつつあり、その中から検証に進むべき有望な仮説を事前に見極めるため手法の確立が求められる。本研究では、マルチメカニズム数理モデリングに基づき、仮説の有望性をin silico実験を通じて判断可能なin silico仮説検証フレームワークを提案することを目的としている。 2023年度は、マルチメカニズム連成数理モデルの構築を行った。これは、骨代謝の既知の知見をもとにマルチメカニズムの連関を表現しながら数理モデルを構築するプロセスである。骨細胞が感知する力学刺激に応じたシグナル伝達により破骨/骨芽細胞の活動が調節される、力学-生化学-細胞のマルチメカニズムをモデル化した。さらに、ビスホスホネート、デノスマブ、テリパラチド、ロモソズマブなどの、骨粗鬆症治療薬投与を、各作用機序をもとにモデル化した。この数理モデルの妥当性検討に使用する形状モデルを作成するため、ブタやマウスの海綿骨のマイクロCT画像からVoxel有限要素モデルを構築した。この形状モデルを用いて、今後すみやかに数理モデルの妥当性を検討する準備が整っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本プロジェクトは、1)数理モデル構築、2)仮説検証実験、3)仮説有望性検討、の各課題を各年において進める計画である。本年度は、1)数理モデル構築は達成されたものの、妥当性の検討までは進められていない。そのため、本研究計画はやや遅れている、に該当すると判断したが、すでに構築済みの形状モデルを用いて、すみやかに妥当性の検討へと進むことができる状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、構築した形状モデルを用いて薬剤投与シミュレーションを行い、細胞動態や骨形態計測パラメータについて既知の薬剤効果の表現を試みることで、数理モデルの妥当性検証を行う。妥当性が示されたのち、本数理モデルを用いて、『骨の機能的適応に対する骨粗鬆症治療薬の効果』に関連する仮説検証シミュレーションを実施する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は、遂行した研究計画が数理モデル構築までにとどまり、その妥当性検討のためのシミュレーション解析を実施していない。予定していた解析用機器の購入を差し控えたため、次年度使用額が生じている。本年度は、大規模解析のための機器購入、さらに旅費や論文作成などへの使用を予定している。
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