2023 Fiscal Year Research-status Report
ヒトiPS細胞から神経細胞サブタイプへのin vivo直接誘導による脊髄損傷の治療法の探索
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23K15749
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
河合 桃太郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30837034)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | In vivo direct reprogram / iPS細胞 / 脊髄損傷 / 興奮性ニューロン / 抑制性ニューロン |
Outline of Annual Research Achievements |
414C2株ヒトiPS細胞に、Doxycycline(Dox)による遺伝子発現制御が可能な形で、2種類の細胞(グルタミン酸作動性ニューロン株、GABA作動性ニューロン株)を樹立した。In vitroにおいて、これらの細胞がDox投与に応じて、iPS細胞からニューロンへとReprogramをされることを確認した。In vitroでDoxの投与量、投与期間について検討を行い、樹立した細胞で指摘なDox濃度および、十分にReprogramがおこるためのDox投与期間についての検討を行った。今回検討した中では、Dox濃度0.0625μg/mlで5日間の投与を行うことで十分なReprogramが起こり、未分化細胞の残存もみられないと判断した。これらの細胞を免疫不全(NOD-SCID)マウスの脊髄に移植をして、移植した細胞が脊髄に生着するかを確認した。移植細胞にffLuc遺伝子を発現させるレンチウイルスを感染させ、移植細胞が体外からLive imagingをできるようにして細胞移植を行い、細胞が生着することを確認した。iPS細胞を移植して、Dox投与を行わなかった個体では、iPS細胞が増殖して管腔臓器に類似したような組織を形成していたことから内胚葉系の細胞へと分化していることが推測された。さらに、移植するiPS細胞をシングルセルとして移植した場合とSpheroid状に培養して移植した場合を比較した。すると、Spheroid状にして移植をしたときには、移植細胞が移植部局所にとどまること、そして、シングルセルとして移植した際には移植した細胞が移植部を超えて広く脊髄内に散在するようになることを確認した。以上の結果から、今回の実験において、Spheroid状の移植が好ましいと判断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書に記載した実験計画に基づき、概ね計画通りに進展をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
事前計画に基づき、研究計画を遂行する。
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Causes of Carryover |
細胞移植に用いたマウスについて、当該研究費を使用せずに入手可能であった。次年度に使用できる研究費については繰越を行い、より詳細な評価のために細胞移植を行う個体数について再検討したいと考えている。
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