2023 Fiscal Year Research-status Report
肝間質細胞―癌細胞の細胞間相互作用に着目した前立腺癌進展機構の解明
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23K15782
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
内藤 伶奈人 金沢大学, 附属病院, 助教 (80963157)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 肝転移 / 肝間質細胞 / 細胞間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
進行前立腺癌は、一般的にアンドロゲン除去療法(androgen deprivation therapy: ADT)により治療されるが、多くの症例で最終的に去勢抵抗性前立腺癌(castration-resistant prostate cancer: CRPC)へと進行する。これに対しては、より強力なアンドロゲン受容体(androgen receptor: AR)シグナル阻害薬(AR signaling inhibitor: ARSI)や、タキサン系抗がん剤が使用される。しかし、治療経過が長くなるにつれ肝転移の出現が有意に増加し、肝転移の出現を起点に一気に病態の悪化を見ることが多い。本研究では肝間質細胞と前立腺癌細胞の細胞間相互作用がCRPCの増悪へどのように影響するか明らかにすることを目的としている。ヒト前立腺癌細胞C4-2B、LNCaP、LNCaP-SF、PC-3とヒト肝間質細胞Fa2N-4の共培養においては増殖への影響は少なかったものの、遊走能はいずれも大きく促進された。サイトカインアレイを用いてC4-2BとFa2N-4の単独、共培養の各培養上清中の分泌蛋白を調べたところ、いくつかのCXCLをはじめとした、細胞間相互作用に関連しうる候補が同定された。現在、これらの候補の中から実際に前立腺癌細胞のphenotypeに影響するものを絞り込んでいると同時に、Fa2N-4細胞の活性化を促進するものも絞り込んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年間の予定を100%とした場合、50%程度と考えられる。前立腺癌肝転移のモデルとして行った肝間質細胞と前立腺癌細胞の共培養において、各細胞にどのような変化が生じるか、ある程度明らかにできていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
具体的に各細胞からのどのシグナルが細胞の活性につながっているかをより詳細に明らかにする必要がある。
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Causes of Carryover |
一部の細胞株ではまだ実験が行われておらず、また、予定していた抗体も未購入であるため残額が生じている。PCRや必要な抗体のために使用予定である。
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