2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of aging mechanism focusing on mosaic loss chromosome Y (mLOY) in cancer patients
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23K15794
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小林 拓郎 順天堂大学, 医学部, 助手 (60962678)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / ゲノム不安定性 / Y染色体モザイクロス / メンデル無作為化 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で、mLOYと前立腺がんリスクとの関連が指摘されているが、因果関係は完全には確立されていない。そこで、前立腺がんに対するmLOYの因果関係を明らかにするため、2つの祖先グループを対象にメンデルランダム化(MR)研究を行った。ヨーロッパと東アジアの前立腺がんのGWASにおいて、それぞれ125個と42個のmLOYに関連するバリアントを instrumental variables (IV)として利用した。前立腺がんに関する要約レベルのデータは、PRACTICALコンソーシアム(欧州系祖先の症例79,148例、対照61,106例)およびBiobank jaoanコンソーシアム(東アジア系祖先の症例5,408例、対照103,939例)から得た。東アジアの祖先における因果関係を評価するために、単一の集団が用いられた。 IVW法を用いたMR解析の結果、PRACTICALコンソーシアムでは、遺伝学的に予測されるmLOYが1単位増加すると前立腺がんリスクが増加することが示されたが(OR = 1.09%、95%CI:1.05-1.13、p = 1.2×10-5)、Biobank Japanコンソーシアムでは示されなかった(OR = 1.13%、95%CI:0.88-1.45、p = 0.34)。感度分析により、PRACTICALコンソーシアムでは、遺伝学的に予測されるmLOYが1単位増加するごとに前立腺がんのオッズ比が増加することが示された。さらに、mLOYは両者のメタアナリシスにおいて前立腺がんリスクと関連していた(OR = 1.09%、95%CI:1.05-1.13、p = 8.0 × 10-6)。 結論 われわれのMR研究は、mLOYが高いと前立腺がんのリスクが増加するという強力な証拠を提供した。mLOYを予防することは、前立腺がんの発症リスクを低下させる手段となりうる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究者は約200名の前立腺癌患者を対象にdPCRによるLOY(%)の測定を行った。WGSでえられたLOY(%)とdPCRでえられたLOY(%)で相関をとれていることを確認し、dPCRによる測定技術の構築の観点から概ね研究は順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
治療前後や生活様式の変化によるmLOYダイナミクスを解明する。scRNAseqなども利用し、どの細胞でmLOYが生じやすいかの探索も行う。mLOYとテロメア、その他Hallmarks of Agingとの関連も探索し、老化の解明に邁進する。
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Causes of Carryover |
人件費に充てるべき費用が、研究室内の人的リソースで賄えたため。次年度以降は学会発表やmLOYの研究に必要な統計学的な手技の習得、ハードウェアの獲得に費用を充てる。
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Research Products
(10 results)