2023 Fiscal Year Research-status Report
炎症・虚血による早産児脳室周囲白質軟化症の病態解明
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23K15802
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
利光 正岳 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00843400)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 脳室周囲白質軟化症 / 炎症 / 虚血 / ミクログリア / 子宮内感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)新生仔ラットを用いたPVL(脳室周囲白質軟化症)モデルの確立:妊娠母獣ラットにLPS腹腔内投与を行い(子宮内感染), 生まれた新生仔に片側頸動脈結紮・切断および低酸素負荷することにより(分娩時・分娩後の低酸素・虚血ストレス), PVLモデルを作製する. 妊娠母獣ラットへのLPS投与とその母獣から産まれた新生仔ラットへ低酸素・虚血処置にて, 新生仔ラットの患測の脳組織切片にてMBP染色の低下を認めた. PVLの組織学的損傷は実験毎で一致していなかった. 妊娠母獣ラットへのLPS投与の代替として, 生後6日目の新生仔ラット(ヒトPVLの発症時期に一致)に, LPS腹腔内投与後に片側頸動脈結紮・切断および低酸素負荷することでも, 処置をした新生仔ラットは非処置群と比較して, 患測の脳組織切片にてMBP染色の低下,体重ならびに脳重量の増加が低下し、けいれんが観察された. 一方, 処置群でもMBP染色の低下の重症度に幅があり, PVL自体ができていない個体があった.PVLモデルの作成は可能だが, 処置による表現型が安定するように, LPSのロットや個体数の制限などプロトコールの改変の必要性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の実験プロトコールは, ヒト実地臨床に即して, 妊娠母獣ラットにLPS腹腔内投与を行い, その妊娠母獣ラットから生まれた新生仔ラットに頸動脈結紮・切断, 低酸素負荷を行うものであった. 新生仔ラットの致死率, 脳の組織学損傷にばらつきが生じており, プロトコールを調整中である.
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Strategy for Future Research Activity |
表現型の幅が一定したら, 行動解析, 脳組織学的評価, ミクログリアの解析を行う.
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Causes of Carryover |
動物の搬入, 飼育, 実験の試薬などの消耗品の補充のため.
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