2023 Fiscal Year Research-status Report
産後うつへのアロプレグナノロンの役割解明-周産期メンタルヘルスの向上を目指して
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23K15805
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
廣瀬 明日香 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (10778468)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | allopregnanolone / 産後うつ / プロゲステロン代謝物 / 周産期メンタルヘルス / 周産期うつ |
Outline of Annual Research Achievements |
産後うつは罹患率が15%と高く自殺や児虐待の原因ともなり得るため、非常に注目されている。2019年に米国食品医薬品局(FDA)は産後うつを適応としallopregnanolone(ALLO)の静脈注射剤を承認した。ALLOとは、プロゲステロンの代謝物でリラックス作用をもち、産後はプロゲステロンと共に低下する。ただ、ALLOと周産期のうつの関連については賛否両論あり、なぜALLOが産後うつに有効なのか不明なままである。本研究では、妊娠中から産後4か月まで長期に亘る経時的変化を観察し、ALLOへの代謝の影響も調査する。 2023年度は、以前より行ってきた産後脱毛と精神症状に関するアンケート研究の解析や報告を進めてきた。産後脱毛は産後2~4ヶ月頃から始まり、6ヶ月から1年程度続く脱毛である。程度には個人差があるが、中には頭部全体に強い脱毛を認める場合や長期に渡る場合もあり、精神的に不安定になりやすい産後における大きなストレス要因となりうる。この研究の中で、産後脱毛の程度が強いほど、同時期の不安症状が強いことが明らかになり、現在論文投稿中である。産後うつは様々な要因が複合的に関連して、発症や悪化に影響すると考えている。よって、私が得た産後脱毛の研究結果も考慮し、産後脱毛の程度を主観的評価のみでなく客観的にも評価をしながら、ALLOと産後うつとの関連も評価する方針としている。 2023年5月から2023年9月まで育児休業を取得していたが、その後研究計画を進め倫理審査委員会への提出を準備している。今年度よりリクルートを開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年5月から2023年9月まで育児休業を取得していたため。
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Strategy for Future Research Activity |
以前より行ってきた、産後脱毛と精神症状に関するアンケート研究の解析や報告を進める中で、産後脱毛の程度が強いほど、同時期の不安症状が強いことが明らかになった。現在論文投稿中である。産後脱毛は産後2~4ヶ月頃から始まり、6ヶ月から1年程度続く脱毛である。程度には個人差があるが、中には頭部全体に強い脱毛を認める場合や長期に渡る場合もあり、精神的に不安定になりやすい産後における大きなストレス要因となりうる。産後うつは様々な要因が複合的に関連して、発症や悪化に影響すると考えている。よって、私が得た産後脱毛の研究結果も考慮し、産後脱毛の程度を主観的評価のみでなく客観的にも評価をしながら、ALLOと産後うつとの関連も評価する方針としている。 現在、倫理審査委員会への書類提出を準備しており、今年度よりリクルートを開始する予定である。
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Causes of Carryover |
2023年5月から2023年9月まで育児休業を取得し、研究が計画より遅れているため。
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