2023 Fiscal Year Research-status Report
Body composition and atherosclerosis-related biomarkers in women with endometriosis
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23K15842
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
前田 英子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30883011)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 子宮内膜症 / 酸化ストレス / インスリン抵抗性 / 体成分分析 / 内臓脂肪 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮内膜症は慢性炎症性疾患であり動脈硬化や心血管リスクが上昇する。子宮内膜症で心血管リスクが増加する機序は明らかではないが、慢性 炎症や酸化ストレスがその要因とされ、研究代表者は、子宮内膜症患者では炎症マーカーと酸化ストレスマーカーが増加していることを明らかにした。一方で、子宮内膜症では低BMIと相関、すなわち痩せ体型が多い。近年、痩せにおいても、肥満同様に動脈硬化危険因子であるインスリン抵抗 性が生じるとされる。 しかしながら、子宮内膜症と体型に関する報告は体重やBMIのみの評価であり、内臓脂肪量や骨格筋量といった体組成との関連は解明されていない。 本研究ではInBody体成分分析装置を用いて子宮内膜症患者の体組成を解析し、内臓脂肪や筋肉の局在・分布・質を評価するとともに、体組成とインスリン 抵抗性、炎症および酸化ストレスの関連を明らかにする。 子宮内膜症は低BMIと相関、すなわち痩せ体型が多い。一方で、子宮内膜症は慢性炎症性疾患であり動脈硬化や心血管リスクが上昇する。痩せ 体型においても、肥満同様に動脈硬化危険因子であるインスリン抵抗性が生じるとされているが、子宮内膜症患者における内臓脂肪量や骨格筋 量といった体組成とインスリン抵抗性の関連は解明されていない。本研究ではこれらを解明することでライフステージを通した子宮内膜症管理 法の確立を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検体採取のための子宮内膜症患者は少しづつ集まっているが、正常検体の検体採取および体組成分析の症例が少ないため。
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Strategy for Future Research Activity |
子宮内膜症と体組成およびインスリン抵抗性の解明;当科通院中の20歳から50歳までの有月経の子宮内膜症患者で、非疾患者をコントロール とする。心血管疾患の既往、静脈血栓症の既往、高血圧・脂質異常症・糖尿病などを除外する。 1.1)身長、体重、血圧(収縮期・拡張期)2)血清脂質プロファイル(総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセ ライド)、2) 空腹時血糖値、C -ペプチドおよびインスリン濃度を測定しHOMA-IR、CPR-IRを算出する。3)炎症マーカーとして高感度CRP、4)酸 化ストレスマーカーとしてd-ROMs、5) 動脈硬化の指標として心臓足首血管指数(CAVI)の測定を行う。 2.Inbody720により体脂肪量、骨格筋量、体脂肪率、ウエスト・ヒップ比、部位別脂肪バランスを計測する。 3.子宮内膜症に対するホルモン治療が体組成およびインスリン抵抗性に及ぼす影響の解明;子宮内膜症患者ですでにDNGまたはLEPによるホルモ ン治療を導入している患者において、1)皮下脂肪面積・内臓脂肪面積・体脂肪量、骨格筋量、体脂肪率、ウエスト・ヒップ比、部位別脂肪バ ランスを計測する。2)空腹時血糖値、C-ペプチドおよびインスリン濃度を測定しHOMA-IR、CPR-IR、3)炎症マーカーとして高感度CRP、4)酸化ストレスマーカーとしてd-ROMs、5)動脈硬化の指標として心臓足首血管指数(CAVI)、6)血中アディポサイトカインの測定を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は検体があまり集まらなかったため、物品費を使用することが少なかったが、次年度は対象検体を増やす見込みであるため、物品費として使用する予定となっている。
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