2023 Fiscal Year Research-status Report
妊娠初期におけるSMI(微細超音波ドプラ)を用いた胎盤疾患診断法の確立
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23K15850
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
古谷 菜摘 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (40963616)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 胎盤病理 / 超音波検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究のパイロットスタディとなる研究結果として、すでに正常絨毛、胎盤梗塞、無血管絨毛の病理像を見分けることができることを報告している。これらは妊娠高血圧症候群や胎児発育不全に特徴的にみられる所見である。従来の超音波機器では、絨毛間腔の母体血流と、絨毛内を流れる胎児血流を分けて描出できなかったが、SMI超音波検査法では分別可能であり、この3つの重要な病理所見を識別できる。 当院は総合周産期母子医療センターであり、本研究対象となる疾患のハイリスク患者や発症後の患者は、外来、母体搬送で年間約650 例集まるため、十分な数の検討が可能である。胎盤の病理診断や画像解析は、すでに本学の病理診断科と協働で行っている。 本学が総合周産期母子医療センターであることから、ハイリスク症例が集まりやすく、ハイリスク症例の抽出、超音波所見ならびに病理学的所見の評価を中心に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年9月末まで育児休業を取得していたため、患者のリクルートに関しては限られた患者のみとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当院で管理するハイリスク症例のうち、胎盤が関与していると考えられる症例(妊娠高血圧症候群や胎児発育不全など)を50例(/年)以上リクルートし、またリスクの全くない症例についても50例(/年)以上のリクルートを行い、十分数の症例数を確保する。症例の抽出から分娩まである程度(最大4-5か月程度)の時間がかかるため、できるだけ早期に患者のリクルートを終了する。患者のリクルート終了後、胎盤の病理学的所見や超音波検査の検討を行う。
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Causes of Carryover |
今年度は主に症例のリクルートを行ったため、対象症例の検査所見の検討を行う機会が少なく、検査のための新たな物品購入などを見送ったため。 次年度より研究目的に顕微鏡の購入や、病理組織検体処理のための薬品購入などを行う予定である。
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