2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of predictive factor for therapeutic effect of anti-cancer drugs for head and neck cancer focusing on SLFN11 and development of new treatment
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23K15855
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浜田 誠二郎 北海道大学, 大学病院, 医員 (20829436)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | SLFN11 / CDDP-RT / 頭頸部扁平上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(2023年度)は、頭頸部扁平上皮癌におけるシスプラチンを用いた化学放射線療法の効果予測因子としてのSLFN11 の有用性の検証を進めた。すなわち先行研究では、北海道大学病院耳鼻咽喉科において2008年1月から2019年12月までにシスプラチンを用いた化学放射線療法(cisplatin-based chemoradiotherapy, CDDP-CRT)が施行された頭頸部扁平上皮癌患者161症例(上顎洞癌、p16陽性中咽頭癌、p16陰性中咽頭癌、下咽頭癌、喉頭癌)の全161症例を解析対象としたが、今回、さらに2020年1月から2021年12月までの上顎洞癌の動注CDDP-CRT症例を、また、2008年1月から2021年12月までの上咽頭癌の静注CDDP-CRT症例を追加して、免疫組織化学染色法を用いて腫瘍検体のSLFN11発現量を測定し、臨床病理学的データとの関連を検討している。また、病理組織学的分化度や既知の腫瘍マーカー(Ki-67、p53)との関連も検討している。これらタンパク質発現量の情報と、年齢、性別、疾患名、臨床病期、治療内容、治療効果、転帰などを集積し、全生存率や無増悪生存率の評価を行っている。詳細な解析に関しては現在進行中であり、追って報告させていただきたい。また、これまでの生検組織の検討では、SLFN11発現の腫瘍内不均一性の関与がはっきりしなかったため、今回、腫瘍量の大きい舌癌の手術検体と術前生検組織を用いて、免疫組織化学染色法によりSLFN11の発現を解析し、手術検体におけるの腫瘍内不均一性の有無、ならびに手術検体と術前生検組織のSLFN11発現スコアにどの程度の差異が見られるのかの検討するため、標本作成の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実績計画の ①頭頸部扁平上皮癌におけるCDDP-RTの効果予測バイオマーカーとしてのSLFN11の有用性の検証 を現在進めている段階である。予定通りのペースで進めており、概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、対象症例の件数を蓄積している状態である。今後は、腫瘍量の大きい舌癌の手術検体を用いて、免疫組織化学染色法によりSLFN11の発現を解析し、腫瘍内不均一性の有無などの評価を行っていく。
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Causes of Carryover |
本研究の一部に関して、令和5年度に国際学会で発表させていただく機会を得ることができた。その経費のため、前倒し請求させていただいたが、予定よりも旅費が抑えられたため、次年度使用が生じた。頭頸部扁平上皮癌におけるCDDP-RTの効果予測バイオマーカーとしてのSLFN11の有用性の検証は予定通り進んでおり、かつ予算内で研究を遂行する目処が立っており、問題ないと考えている。令和6年度、標本作成費、免疫染色試薬費に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)