2023 Fiscal Year Research-status Report
Creation of clinical ECRS disease concept and identification of its recurrence and refractory factors
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23K15868
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
寺西 裕一 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90758997)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎 / 好酸球性副鼻腔炎 / 肥満細胞 / 好酸球 |
Outline of Annual Research Achievements |
鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎のうち、好酸球性副鼻腔炎(Eosinophilic Chronic Rhinosinusitis; ECRS)は難治性副鼻腔炎であり、術後再発のリスクが高いことが知られているが未だ明らかな病因は不明である。鼻茸や嗅覚障害を特徴とし、気管支喘息との合併も多く全身疾患の副鼻腔における症候発現であると考えられている。本邦ではJESREC studyによりその診断基準が示されており、指定難病となっている。ECRSと診断するためにはJESREC scoreで11点以上であり、かつ鼻茸組織中好酸球数が70個/HPF以上あることが必要である。しかし、score上は11点以上を満たしECRSを疑う臨床像であっても、鼻茸組織中の好酸球数が基準を満たさないために確定診断が得られない症例が少なからず存在する。本疾患を「臨床的にはECRSであるが、病理学的にECRSと診断されないCRSwNP(Clinical ECRS; cECRS)」と呼称することとした。 当科における鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に対し手術加療を行った患者につき調査対象とし、手術中の組織を標本として採取した。これらを一般染色および免疫組織学的染色を用いて形態学的検査を行った。主に肥満細胞のサブタイプを分析することで再発、難治化因子の同定を行う。また、今後は術後経過における再発の有無や臨床的データも含めて予後の評価も行っていく。 JESREC scoreの診断基準を満たさないが再発、難治化の多いcECRSについての疾患概念はこれまで見逃されており患者の多大な不利益につながっている。cECRSの病態解明を行うこと、疾患概念を創生することは非常に有用であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点では対象症例収集、およびその標本採取の段階であり、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き標本採取は継続し、今後は術後経過における再発の有無や臨床的データも含めて予後の評価も行っていく。
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Causes of Carryover |
次年度の助成金を頂いている。研究に必要な図書やデータ解析ソフトなどコンピュータ関連物品の購入や、研究成果の報告として学会発表や論文執筆に関して必要な支出に充てる予定である。
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