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2023 Fiscal Year Research-status Report

ヒトiPS細胞由来網膜神経節細胞の再生メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 23K15932
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

江戸 彩加  広島大学, 病院(医), 医科診療医 (20972524)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords網膜神経節細胞 / 神経保護 / Rhoキナーゼ阻害薬 / iPS細胞
Outline of Annual Research Achievements

網膜の最内層を構成する網膜神経節細胞は網膜に届いた光情報を視神経を通して脳に伝える役割を担う。視神経症や緑内障などの疾患で傷害されると不可逆的な視機能障害をもたらす。近年、人工多能性幹細胞(iPS細胞)が発明され、再生医療への応用が進められている。網膜神経節細胞の移植治療を目指した研究が行われているが、網膜神経節細胞は脆弱であるため、移植治療の開発のためには細胞の生着率を向上させる必要がある。本研究は、Rhoキナーゼ阻害薬の細胞死抑制・軸索伸長作用に着目し、ヒトiPS細胞由来網膜神経節細胞に対してこれらの作用を示すかどうかを検証することを目的としたものである。
そのためにまず、ヒトiPS細胞株から網膜神経節細胞を分化・誘導し、単離を行った。単離した細胞に網膜神経節細胞のマーカーが発現していることを確認した。Rhoキナーゼ阻害薬を添加する群としない群に分け、細胞生存率・軸索伸展に差がみられるかどうかの検証実験を行った。Rhoキナーゼ阻害薬の濃度などの条件、細胞生存率や軸索伸展の評価方法についていくつかの手法をもちいて条件検討を行った。得られたデータをもとに、生着細胞数・軸索長の解析を行った。その結果として、Rhoキナーゼ阻害薬処理なし群に比べてRhoキナーゼ阻害薬処理群では網膜神経節細胞の生着細胞数が増加する可能性が見い出された。
今後は実験系を確立し、サンプル数をを増やして検証を続ける予定である。また、その作用に関わる因子を探索し、メカニズムの解明に迫りたいと考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度は我々が新たに入手した健常人由来のiPS細胞株から網膜神経節細胞への分化誘導・単離が可能であることを確認することができた。種々の方法で検証実験を行い、実験系の確立のための条件検討を行うことができた。このことから本研究はおおむね順調に進められていると考えられた。

Strategy for Future Research Activity

今後はこれまで得られたデータをもとに実験系を確立し、サンプル数を増やしてRhoキナーゼ阻害薬によるヒトiPS細胞由来網膜神経節細胞のアポトーシス抑制・軸索伸展作用について検証していきたいと考えている。最終的には、Rhoキナーゼ阻害薬による作用に関わる因子を探索し、メカニズムを解明することを目指す予定である。

Causes of Carryover

試薬の到着が遅延したことにより次年度使用額が生じた。次年度に繰り越して使用予定である。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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